第52話
各オーナー&住人たちは、アレキサンダーをうれしそうに、取り囲んだ!
コウガは「すぐに、飼い主のところに、連れて行こう!」
アルフレッドは「すぐに、連れて行くのもいいけど、綺麗にしないといけないんじゃない?」
全員が「さんせーーーい!!!」、「異議なし!!!」
しばらく、相談して、アレキサンダーは、アルフレッドの美容院に連れて行かれた。抱っこして、アルフレッドが、連れて行った。
アレキサンダーを椅子に座らせた。すぐに、ジュリエットが、メジャーを店から持ってくると、すかさず、アレキサンダーに近寄り「失礼します!洋服の寸法を測ります!少しじっとしておいてください!」
ジュリエットは、アレキサンダーに異常に丁寧に応対した。
ジュリエットは、寸法を素早く採寸した。そして、自分の店で、アレキサンダーのために、白のスーツを手早く作っていた。
その間に、アルフレッドは、アレキサンダーの毛並みを整えるべく、ハサミで、カットして、揃えた。そして、ブラッシングも怠らなかった。
ルイーゼは、アレキサンダーの4本足を次々と、マッサージした。
シャーロットは、香りのいいシャンプーのようなスプレーをアレキサンダーに吹き付けた。
クルトは、チョコレートドーナツを皿に入れて、ホットコーヒーと共に、トレーに乗せて、目下の人が目上の人に、物品を差し上げるような態度だった。まるで、献上しているようだった。
コウガも、デカデカバーガーとオレンジジュースを差し出した。
フェリックスは、お土産として、腕時計をプレゼントした。
みんなは、アレキサンダーに対して、下手に出て、至れり尽くせりだった!下心が見え見えだった。迷い犬の高額の謝礼金目的だった。
クマタンは、心の中で、“畜生!あいつめ!いい目ばっかりしやがって!”
フローラは、エレノアに「あの性格悪いわんこが、王子様のようだよ!信じられないわ!」
エレノアは、フローラに「全くもって、予想外だったわね!」
そうこうしているうちに、ジュリエットによって、白いスーツが出来上がった。速攻の作業だった。白いシャツと黒色のネクタイも作った。すぐさま、アレキサンダーに着せられた。
アレキサンダーは、されるがままだった。いつもの不平不満を口にすることもなく、無言だった。顔は、にやけていた。
それを見て、クマタンは、面白くなかった。
ヘルムートは「じゃあ、そろそろ出発しようぜ!俺が、馬車で、みんなを乗せていくぜ!」
各オーナー&住人たちは、「エイエイオー!!!」と盛り上がっていた。
アレキサンダーをみんなで、依頼人のマルゲリータのところに、送っていくことにした。
この日、バージルモールは、各店舗、急きょ、臨時休業になった。




