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第50話

カウンター越しに見えたのは、アレキサンダーだった!


フローラは「あんた!アレキサンダーじゃないか!」


その声は、大きな声だったが、客がまだいたので、コウガとクマタンは、調理に追われていて、聞こえなかった。ちなみに、エレノアは、配達中だった。


アレキサンダーは、右前足をへそに当てて、左前足をパーにしながら上にあげて、「ホイー!!!」


フローラは「またそんなことやってるな!」


アレキサンダーは「よう!フローラ!まずは、いらっしゃいませは、ないのかのう?」


フローラは「あんたねえ!あんたこそ、ごめんなさいがあるんじゃないの?」


アレキサンダーは「それより、いらっしゃいませ、いつもありがとうございます!ここでお召し上がりですか?それとも、お持ち帰りですか?と言うんじゃないのか?商売下手くそだな!」


フローラは「いらっしゃいませ、ここでお召し上がりですか?それとも、お持ち帰りですか?ご注文は、何にしますか?」


フローラは、本を読むように棒読みだった。


アレキサンダーは「じゃあ、ハンバーガーとコーラをイートインするよ!」


フローラは「承知しました・・・。」


フローラは、事務的に応対した。


すぐに、フローラによって、ハンバーガーとコーラがトレーに乗せられてきた。


アレキサンダーは、そのトレーを受け取ると、2本足歩行になって、それをイートインのテーブルに運んだ。


そして、客足が途絶えた。


フローラからアレキサンダーが来店しているのを、コウガとクマタンが聞きつけて、アレキサンダーのいる場所に急行した!


コウガとクマタンは、アレキサンダーに詰め寄った!


コウガは「おい!アレキサンダー!砂金採りと埋蔵金探しが失敗して、みんな、かなり落胆したんだぞ!どう責任を取るんだ!」


アレキサンダーは「そんなこと知らないさ!あの本が悪いんだ!ワシは、ただ、情報提供をしただけだ!」


クマタンは「よく、そんな無責任なことが言えるな!よくここに来れたな!」


アレキサンダーは「ここのハンバーガーの匂いが漂ってきて、食べたくなるんだ!」


クマタンは「そんなに言うほど、ここのハンバーガーは、美味しいんだな?」


アレキサンダーは「まあまあだな!匂いだけがいいから、食べれるんだ!」


クマタンは「なんだと!?その言い方は!ケンカを売ってるのか!この前、僕たちやモールのオーナー&アパートの住人たちが、どれだけ、ガッカリしたと思ってるんだ!申し訳ないと思わないのか!」


アレキサンダーは「ケンカしても、次に会ったら、友達だ!こんにちはして、挨拶したら、ケンカしても、また友達復活だ!」


クマタンは「じゃあ、お前、自分が、嫌なことをされても、挨拶したら、友達復活できるのか?そんな寛大なことができるのか?」


アレキサンダーは「そんなことできるわけないじゃないか!ワシが悪くても、次に会って、挨拶したら、友達だ!しかし、相手がワシに対して、悪いことしたら、次に会って、挨拶しても、友達じゃない!ワシだけが正しいから、こうなる方程式になっているんだ!」


アレキサンダーは、最強の得手勝手だった!


クマタンは「その仮定が成り立つんだったら、お前、かなりの自分勝手なやつだな!自己中だな!」


アレキサンダーは「いいじゃないか!こういう犬がいたって!世の中いろいろ!考え方いろいろ!」


アレキサンダーは、横柄な態度で、減らず口をたたいていた!


コウガとクマタンは、ただただ呆れるばかりだった。

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