第49話
この日も、リュウジンバーガーは盛況だった。
おばあちゃんがやってきた。常連客の“ありがたいおばあちゃん”だった。このおばあちゃんは、いつも笑顔で、何かにつけて、ありがたい、ありがたいと感謝をするのが、口癖だった。
フローラは「いらっしゃいませ!いつもありがとうございます!今日は、店内でお召し上がりですか?それとも、お持ち帰りですか?」
ありがたいおばあちゃんは「こんな年寄りに優しく挨拶してくれて、ありがとう!ありがたい、ありがたい!持って帰るよ!」
フローラは「いつも、来ていただいて、うれしいです!」
ありがたいおばあちゃんは「今日も相手をしてくれて、ありがとう!ありがたい、ありがたい!ここに来れて、ありがたい!ハンバーガーを買いに来れて、ありがたい!」
フローラは「本日は、何にしますか?」
ありがたいおばあちゃんは「じゃあ、チーズバーガー2個頼むよ!」
フローラは「かしこまりました!ありがとうございます!」
フローラは、料金を受け取ると、コウガに注文品を伝えた。
すぐに、チーズバーガーは、出来上がった。
フローラは、出来立てのチーズバーガーが入った袋をありがたいおばあちゃんに渡した。
ありがたいおばあちゃんは「ありがたい!ありがたい!今日も、チーズバーガーが食べられる!ありがたい!ありがたい!」と呪文を唱えるかのように言うと、チーズバーガーの袋を受け取った。
次の客の順番がやってきた。
客が見えない。カウンターより低い身長の客のようだ。
フローラは、カウンターの下を覗いた。
フローラは「ああああああ!!!」




