第46話
リュウジンバーガーの開店時間になった。
この日、開店早々から、客で、にぎわっていた。
目立った、ある男性の客がいた。
黒いニット帽子を被り、黒い眼鏡をかけている。黒いマスクをしている。黒の上下の体操服を着ている。
エレノアは、配達中で、不在だった。フローラは、客が不審者のようなので、コウガに、応対を代わってもらった。
コウガは「いらっしゃいませ!店内でお召し上がりですか?それともお持ち帰りですか?」
男性は「お久しぶりです!執事のラオドールです!今日は、ヒルデグランド様のお食事を買いに来ました!ヒルデグランド様はじめ、奥様、レティシア様も、お風邪のため、来れませんでした。それで、私が代わりに、買いに来たという次第です。念のために変装をしてきました!」
コウガは「十分に目立ってますよ!ところで、過日は、ご馳走になり、ありがとうございました!」
ラオドールは「いえ、当方こそ、ご無理を申しました。おかげで、ヒルデグランド様もレティシア様も、大層、お喜びになりました。もちろん、奥様もです。皆様、こちらのお食事がお気に入りになり、買いに来ました。」
コウガは「ありがとうございます!では、お持ち帰りでよろしいでしょうか?」
ラオドールは「はい。では、何か見繕ってください。」
コウガは「では、デカデカバーガーセットは、いかがですか?」
ラオドールは「美味しそうですね!では、10人前で、ドリンクは、ホットコーヒーで、お願いいたします。」と料金を支払った。
コウガは「すぐに、調理します!少しお待ちくださいね!」
コウガは、手際よく、いつも通り、調理した。出来た商品をラオドールに手渡した。
コウガは「お待たせしました!ご注文のデカデカバーガーセットです!それと、ヒルデグランドさんたちが、お風邪のようなので、生姜のすりおろしをカップに入れておきました!お好みで、ハンバーガーにトッピングしてください!」
ラオドールは「ありがとうございます!お心遣いに感謝いたします!」
ラオドールは、礼を言うと、デカデカバーガーセットを10人前買って帰った。
配達の仕事が入った。急ぐので、フローラが配達に行った。
入れ替わりに、エレノアが戻ってきた。
クルトが、売れ残りのドーナツを箱に入れて、コウガたちに持ってきた。
クルトは、ドーナツを渡すと、すぐに戻って行った。小箱には、ドーナツが4個入っていた。
調理をしながら、1個、コウガが食べた。
エレノアは、クマタンが客の応対をしている間に食べた。先ほど、配達して運動したので、ドーナツ1個をすぐに、食べきった。
クマタンもエレノアと交代すると、ドーナツを2個食べた。これで、ドーナツは空になった!
フローラが配達から戻ってきた。
フローラは、ドーナツが入っていた空の箱を見つけた。箱には、何も入っていない。
フローラは「ああ!!!ドーナツ、あったのね!!!」続けて「もしかしたら、私の分、クマタン!食べたな!」
クマタンは「いけませんか?ゲブッ!」
クマタンは、つまようじを歯に当てて「シーシー。」と言って、居直った。
クマタンとフローラのいつも通りの追いかけ合いが始まった。