第39話
楽しい昼食が終わった。さあ、いよいよ、問題の砂金採りが始められた。
みんなは、作業服の上にエプロンを付けて、長靴を履いた。
そこは、天然温泉のやや離れたところに、川があった。川の曲がり角のぶつかる所の内側で、中流付近だった。川底が岩盤だった。
みんなは、スコップとザルで、砂をすくった。ザルをこして、綺麗にした。しかし、砂金のようなキラキラしたものは、見つからなかった。
アルフレッドは「おかしいわねえ!何時間もやってるのに、全然、見つからないわ!」
ヘルムートは「まさかとは思うけど、場所を間違ってないか?」
シャーロットは「ここじゃ、いつまでやっても、らちが明かないんじゃないかなあ!」
フェリックスは「よく考えたら、おかしいんじゃないか?わざわざ場所を教えるか?」
ジュリエットは「そういえば、変よね!」
ルイーゼは「もしかしたら、ガセなんじゃないの!」
全員が、アレキサンダーをじーっと見た!
見られたアレキサンダーは「えっ!?もしかしたら、疑ってるの?ワシは、なんにも知らないよ!本を提供しただけだよ!そんな目で見ないで!」
そう言うと、アレキサンダーは、身の危険を感じて、一目散に、2本足の2足歩行で、猛スピードで逃げ去った!
これには、クマタンが「あいつ!やっぱり噓だったよ!足が痛いという仮病だったな!フローラに背負わせて、引っ付きたかったんだ!エレノアに食べさせてもらったりして、不届き者だ!許せないな!あの噓つき!」
コウガは「やっぱり、騙されてたんだなあ!」
フローラは「結局、重たい目をさせられて、損したよ!」
クマタンは「フローラは、やっぱり、男運がないなあ!あんな噓つきな犬に好かれてさ!」
フローラは「うるさいな!私は、今、機嫌が悪いんだよ!怒らせるな!」
クマタンは「はい!す~いませんでした!」
フローラは「ふざけてるのか!?」
結局のところ、砂金採りは失敗に終わった・・・。
フェリックスは「でも、次の埋蔵金探しがあるじゃないか!次こそ大丈夫だろう!みんな元気を出そう!」
コウガは「そうだ!頑張ろう!」
クマタンは「うん!僕も、頑張るよ!」
アルフレッドは「そうよ!まだまだこれからよ!」
シャーロットは「当たれば、大きいのが控えてるんだから!頑張ろう!」
クルトは「今度の休みに、埋蔵金探しに繰り出そう!」
フローラは「今度こそ、見つけよう!」
エレノアは「次こそ、頑張るわ!皆さん、おじいちゃんのために、お願いします!」
ルイーゼは「当たり前のことよ!バージルさんには、お世話になってるんだから!」
エレノアは、それに対して「ありがとうございます!感謝します!」
その言葉に、みんな、疲れを忘れて、拍手した。
しかし、全員、丸儲けに失敗して、かなりの落胆だった・・・。砂金採りを終えて、帰路に就くみんなの足取りは、重たかった・・・。それでも、希望は捨ててはいなかった。次の埋蔵金探しに期待していた。




