第33話
次に、女性たちは、トレーに、コーンスープを乗せて、運んできた。
女性たちは、それぞれ、コーンスープを置いた。一礼すると、3人の女性たちはラオドールと一緒に壁に沿って、一列に並んで、待機していた。まるで、壁に張り付いているようだった。
レティシアは「どうぞ!お召し上がりください!」
コウガは「いただきます!」とスープをスプーンで、飲んだ。
「うまいね!甘くて、それでいて、コンソメの風味が活きているね!クルトンもいいなあ!」
本日のハイライト、ステーキが運ばれてきた。鉄板に乗せられて、牛肉はジュージューと音を立てて、熱々の湯気が立っている。添えられたフライドポテトやブロッコリーが色を添えている。
コウガは「中々、柔らかい牛肉だなあ!ソースは焼肉のたれに似たような味で、マジで、イケてるなあ!」と絶賛した。
コウガは、“この肉、美味いけど、何の肉かな?ま、味は牛肉だから、牛肉だろうな。そうしておこう。あえて詮索しないことにしておこう。”
クマタンは「スープといい、ステーキ、うまいなあ!僕も頑張らないとなあ!」
クマタンは勉強家だった。常に、向上心を忘れない努力家だった。
エレノアとフローラは、いつも通り、無言で夢中になって食べる人だった。
料理の最後に、カレーライスが運ばれてきた。
コウガは「カレーライスが出てくるのもいいなあ!あとひくよ!」
クマタンは「やっぱり、お子様向けにはカレーだな!しかし、このカレー、肉は、しっかりと煮込んであるな!柔らかいぞ!バラ肉だ!スパイスも効いているな!もちろん、ローリエもしくはブーケガルニを入れて、煮込んでいるな!侮れないな!」
クマタンは専門家にも近いようなコメントだった。
最後にデザートは、アイスクリームとプリンのデザートだった。いちごとバナナが添えられていて、チョコレートがかかっている。そして、プレゼントのバースデーケーキを切り分けて、配られた。飲み物は、ホットコーヒーだった。
コウガは「クルトさんのケーキ、上手に作られているなあ。ここのアイスクリームとプリンも甘過ぎず、美味いなあ!ホットコーヒーも香りがいいぞ!うちのコーヒーも、もっと香りを強めてもいいなあ。」
クマタンは「う~~~ん!うまい!ほっぺたが落ちそう!最高!!!」
コウガも大満足だった。料理がうますぎて、警戒心を緩めていた。
コウガは「ごちそうさまでした!ありがとうございました!今日、ここに来て、よかったです!まさか、僕たちを歓迎していただいたうえに、こんな豪華な料理を食べられるとは、夢にも思いませんでした!」
コウガのお礼の言葉は、本心からのことだった。
レティシアは「こちらこそ、父が、強引にお誘いして、申し訳ありませんでした。私こそ、いい1日になりました!ありがとうございました!」と丁寧にお礼を言った。
クマタンは、“まあ、強引だったが、料理がよかったから、許してやろう!”と心の中で思った。
コウガたちは、応接間を出た。ラオドールの後をついて、元来たように、歩いて、玄関に着いた。
その場所に来ると、ヒルデグランドと、その横に妻のジェニファーがいた。
妻は、美しく、聡明そうだった。ヒルデグランドがのぼせ上がるぐらいの女性だった。
ヒルデグランドは「今日は、娘のレティシアのために、ありがとうな!ケーキ、めっちゃ美味かったぞ!」
ヒルデグランドは、コウガたちのバースデーケーキの切り分けた残りを食べた感想だった。
ジェニファーは「ヒルデグランド!もう少し、この方たちに丁寧にお礼を言ってくださいね!」
ヒルデグランドは「ジェニー(ジェニファー)ちゃん!ごめんなさい!」
ヒルデグランドは、ジェニファーに言いなりで、メロメロだった。
ジェニファーは、コウガたちに「これに懲りずに、レティシアのお友達でいてくださいね!お願いします!」
ジェニファーは、低姿勢だった。
ヒルデグランドは「では、元のバージルモールの前に、戻すぞ!」
それを聞くと、フローラはエレノアの腕に、しがみついた。1度置いてきぼりになったので、反応した行為だった。
ジェニファーは「では、皆様、ごきげんよう!」続けて、ヒルデグランドに「ヒルちゃん!しっかりと、皆様をお送りしてね!」
ヒルデグランドは「アイアイサー!!!」
それを聞いて、コウガたちは笑っていた。
魔王城の玄関先からヒルデグランドのワープによって、コウガたちは、無事に元に戻れた。