第32話
やっとこさ、応接間に着いた。
執事のラオドールは「レティシア様の待っておられる応接間です!」と言って、ドアを開けた。
ドアを開けると、外側で、ラオドールが「レティシア様、コウガ様たちをお連れしました。」
中からレティシアが「入ってもらって。」
ラオドールは「かしこまりました。」
そして、コウガたちに「レティシア様のお許しが出ました。お入りください。」
ラオドールは、応接間にコウガたちを招き入れると「一旦、失礼いたします。」と退室した。
長いテーブルがあり、奥には、レティシアが座っていた。立ち上がると「皆さん、ようこそいらっしゃいました。お座りください。」
コウガは「今日は、お招きいただき、ありがとうございます!遠慮なく座らせていただきます!」
レティシアの右横のテーブルに、コウガとクマタンが座った。左横のテーブルには、エレノアとフローラが座った。
レティシアは「父が、無理を言って、すいませんでした。」
コウガは「お誕生日おめでとうございます!これは、僕たちからのプレゼントです!同じモール内のドーナツ店のクルトさんに作ってもらった、バースデーケーキと手芸店&洋服屋のジュリエットさんに作ってもらった、バッグです!」
コウガは、召喚したバッグとバースデーケーキの箱をレティシアに手渡した。
レティシアは「まあ!うれしい!見てもいいですか?」
コウガは「もちろんですよ!」
バースデーケーキは、直径30センチメートルのいちごの乗っている生クリームの豪華版だった!丁寧に箱に入っていた。バッグも白色で、女の子が欲しがるような可愛いデザインに仕上がっていた。
レティシアは「まあ!素敵なバッグ!白地で素敵なリボンが付いているわ!ありがとう!」
コンコンとドアをノックする音がした。
外からラオドールが「お食事をお持ちしました!」
レティシアは「どうぞ!」と返した。
ラオドールは「失礼します!」と言って、ドアを開けて、中に入った。
ラオドールは「アップルジュースをお持ちしました!」
レティシアは「ああ、それでいいわ!」とラオドールに告げると、プレゼントのケーキの入っている箱を渡した。
レティシアは「食事の後、カットして食べるからね!」
ラオドールは「承知いたしました!」と言うと、ケーキの箱を受け取った。
3人の女性が部屋に入って来た。
3人の女性は、頭に、ヒラヒラした布のブリムを付けて、装飾品のヘッドドレスを飾っていた。服はメイド服だった。女性の髪の毛の色は青色、黄色、赤色だった。信号機の色だった。見た目は人間そのものだったが、背中には、鳥の羽が生えていた。
女性たちは、キャスター付きワゴンで、アップルジュースを運んできた。
女性たちはコウガたちにアップルジュースを置いた。
ラオドールは、コウガに「赤ワインなどはいかがですか?」と尋ねた。
コウガは「いや、アップルジュースでいいですよ!」
ラオドールは「そうですか!失礼いたしました!」
コウガは、内心思った。油断できない漆黒の世界で、アルコールはタブーだと感じていた。
クマタンは“赤ワイン?何かの血じゃないか・・・?あ~怖い!”と勝手に想像していた。
コウガは「みんな、立ち上がろう!そして、レティシアさんに乾杯!!!」と号令をかけた。
みんなは、それに、従った。
レティシアは「父が無理を言って、すいませんでした。ありがとう!みんな!私の誕生日を祝ってくれて、うれしいわ!」と、うれしそうだった。
クマタンは、“そうなんだよ!あんたのお父のためために、迷惑してるんだよね!まあ、料理が食べれるだけいいけどね。”と心の中で思った。




