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第2話

お客さんがきた。常連客のマサムネさんだった。


マサムネさんは、ちょんまげで、右眼に黒い眼帯をしていた。見るからに武将のような着物姿で、ドット柄の陣羽織(じんばおり)羽織(はお)り、腰には、刀を帯刀していた。


いつも、チーズバーガーを買っていくお客だった。


コウガは「マサムネさん!いつもありがとうございます!」と言って、厨房からマサムネに声を掛けた。


マサムネは「流行りもののバーガーを食べて、いい気分だよ!」と言うと、いつも通り、チーズバーガーを受け取ると、料金を支払って帰って行った。


その後、ヘルムートが配達から戻ってきた。


ヘルムートはコウガに「集金したお金220ジオだよ!」と言って、220ジオ渡した。20ジオは配達料だった。


通貨はジオで、物価は日本の5分の1の相場だった。もちろん、消費税も無く、所得税、住民税、相続税、贈与税も無かった。


ヘルムートは「じゃあ、俺、別の運送の仕事に戻るわ!」


コウガは「ありがとう!また頼むよ!」


ヘルムートは「まかしとけってことよ!」と帰って行った。


そして、店内に、お母さんと5歳ぐらいの女の子を連れた客が来た。


フローラは「いらっしゃいませ!店内でお召し上がりですか?それとも、お持ち帰りですか?」


お母さんは「持って帰ります。今、この辺で、話題になっているハンバーガー屋さんにこの子が食べてみたいと言うので、来たのよ。何があるのかしら?」


フローラは「でしたら、お子様セットなんかいかがですか?ハンバーガーと小さなフライドポテトに飲み物とお菓子が付いて、ワンセットです!」


お母さんは「じゃあ、それにするわ。」


フローラは「ありがとうございます!80ジオです!お菓子はここから選んでくださいね!」


フローラは竹製のざるに入っているお菓子を提示して、1個選ぶように説明した。


女の子は「どれにしようかな?キャンディ、チョコレート、ビスケット、迷っちゃうよ!」


コウガは「フローラ、初めてのお客さんだし、小さなお子さんなので、2個プレゼントしてね!」


フローラは「オーナーのお許しが出たので、2個選んでね!」


女の子は「え!?いいの?」


女の子はチョコレートとビスケットを選んだ。よほどうれしかったのか、お母さんと手をつなぎながら、片手は、いつまでもコウガとフローラに別れのバイバイをしていた。お母さんもうれしそうだった。


コウガは「クマタン、フローラ、一段落したら、休憩してよ!」


クマタンが「はいよー!」


フローラは「そうするね!」


そこに、エレノアが配達から帰ってきた。


コウガは「エレノア、お疲れ様!ちょうどよかった!クマタンとフローラと休憩してね!僕も客足が途絶えた間に休むとするか。」


エレノアは「はい!配達が近くだったので、よかったです!じゃあ、みんなでオレンジジュースを飲みましょう!」


エレノアは15歳で、身長150センチメートルで、金髪で、腰まで長く、巻き髪だった。瞳はグリーン色だった。フローラと同じぐらい可愛い。バージルアパートのオーナーの孫で、管理人をしながら、リュウジンバーガーを手伝っている。ブルーのミニ丈のワンピースで、裾は、丸い縁取りのスカラップだ。靴下は、レース付きニーハイソックスだ。白の靴、フローラと同じく白いエプロンをしている。


リュウジンバーガーの経営は順調で、コウガも毎日、可愛い女の子2人とクマタンに囲まれて、楽しく仕事が進んでいた。フローラとエレノアは、2人共、とても可愛いが、料理はできず、コウガと同じくクマタンに頼っている。コウガとクマタン、フローラとエレノアは、普段、クマタンの作った料理を4人で食べることが日常当たり前だった。


フローラとエレノアは、バージルアパートで同室だった。


みんな、隣りのバージルアパートの住人だった。


コウガが、みんなのオレンジジュースを用意した。


店の椅子に、みんなで座った。コウガの横にフローラが座ろうとした。しかし、すかさず、クマタンが横に来て、椅子に座った。そのため、フローラが床にしりもちをついた。


すかさず、エレノアが駆け寄って「フローラ、大丈夫?どこも怪我しなかった?」と声掛けをした。


フローラは「このクマ!ふざけてんの!?なめんなよ!」


エレノアは「まあまあ。気を取り直して、オレンジジュースを飲もうよ!」と、フローラを落ち着かせた。


さすが、フローラより年上だった。


そんなことを気にせず、クマタンは涼しい顔でいた。


クマタンは「はい!コウガ、オレンジジュースだよ!こぼさないようにね!」


クマタンは、日頃、リュウジンバーガーの調理補助で、忙しいにも関わらず、コウガの世話を焼こうとする世話焼きだった。


コウガもクマタンのお節介ともいえるような世話を焼かれるのが大好きだった。

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