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第24話

しばらくして、店内は客がいなくなった。


1人の老人が来客した。それは、エレノアの祖父でバージルアパート&バージルモールの大家のバージルだった。80歳だった。


カウンターにいたエレノアは「あっ!おじいちゃん、なんの用なの?」


声が大きかったので、コウガは、気が付いた。すぐに、バージルに駆け寄った。


一応、大家なので、気を遣っていた。


コウガは「こんにちは!バージルさん!お世話になっております!エレノアさんにも手伝ってもらって、助かっています!」


バージルは「仕事のところ、邪魔したようだね!いや、別に用事はなくってね。近くに来たから寄っただけだよ。エレノアから聞いているけど、リュウジンバーガー、大成功だね!おめでとう!」


コウガは「ありがとうございます!ごゆっくりしていってくださいね!」


バージルは「気を遣わないでいいよ!」


コウガは「まあ、そうおっしゃらずに、何か飲んで、食べていってください。」


バージルは「じゃあ、ホットコーヒーでもいただこうかな?」


バージルは、ホットコーヒーとプチコーヒーゼリーを食べることになった。プチコーヒーゼリーは、コウガが勧めたものだった。


この時点で、店も暇なこともあって、クマタン、エレノア、フローラもイートインの席にいた。


クマタンとフローラは、バージルに挨拶をして、世間話をしていた。


コウガは調理場にいた。


コーヒーは、コウガがこだわりのコーヒー豆をペーパーで淹れた。プチコーヒーゼリーは、事前に、クマタンが作ったものだ。粉ゼラチンで、固めたもので、砂糖入りのコーヒーゼリーを冷やしたものだ。仕上げに、コウガがクリームを添えたものだった。それをバージルに提供した。


バージルは「うまいねー!香りがいいコーヒーなので、つい飲み干してしまった!砂糖とフレッシュで、マイルドだなあ!おかわりくれるかい?コウガ君!今、満腹なので、今度来た時は、ハンバーガーも一緒に食べたいもんだよ!いや、別に、催促しているんじゃないよ!」


次に、プチコーヒーゼリーを食べた。


バージルは「うーーーん!!!うますぎだぁぁぁぁぁ!!!なんという、うまさだ!たまらない、うまさ!ほろ苦いコーヒー味に、甘~いクリーム、なんとも、た~まらんな~!」


これを聞いて、コウガもクマタンも満足そうだった。


バージルは、テーブルに座りながら、人差し指で、店の壁をなぞった。


まるで、姑根性のように、汚していないか、チェックしているのが、見え見えだった。これには、クマタンが、いぶかしそうだった。


壁の埃を手で払うと「フッフッ!ありがとう!ありがとう!」と息で、残りの埃を吹き飛ばした。「この店も綺麗に使ってくれているね!」と言うと、バージルは「このモールもアパートも老朽化しているからね!建て直すのも、お金がかかって、大変なんでね!なんとか、このままで、持ちこたえたらいいけどね!」


コウガは「そうですね!お察しします!」


コウガは、バージルモールとバージルアパートを建て直す資金が調達できれば、いいなと思った。


バージルは「コウガ君も、テキパキして、よく働くねえ!エレノアの父親も婿養子で、よく働くよ!母親は、エレノアそっくりで、機転が利くよ!コウガ君、エレノア、お前たち、ワシの娘夫婦に似ているな!」


エレノアは「えぇぇぇぇぇ!!!おじいちゃん!失礼じゃない!そんなこと言って!」


すかさず、クマタンは「バージルさん!お言葉ですが、コウガには、決まった人がいるんです!」


バージルは「えええ!?そうなんだ!ちなみに、どんな人?」


クマタンは「僕ですよ!」


それを聞いて、フローラとエレノアは、クマタンを冷たい視線で見つめていた。


バージルは言葉が詰まった。


次に「ワッハッハッハッハッハッ!!!面白い冗談だよー!」


クマタンは「いや、冗談じゃないですよ!本気ですよ!」


バージルは「またまた!クマタンは、愉快だね!面白いので、また来るよ!」


バージルは、コウガから土産として、デカデカバーガーとカニクリーミーコロッケバーガーを急いで調理した。


デカデカバーガーは、鉄板で温めた半分に切ったバンズに、同じく鉄板で温めたパテのハンバーグに、水にさらしたスライスオニオンの水気を切ったものを乗せて、レタス、チェダーチーズ、それに、炒めたベーコン1枚を乗せた。デカデカソースをかけた。このソースは、マヨネーズ、ケチャップ、マスタード、砂糖、きざみピクルス、細かくきざんだディル、レモン汁で、作ったものだ。


次に、カニクリーミーコロッケバーガーだ。まず、みじん切りの玉ねぎを鍋に入れて、マカロニと茹でた。終わりしなに、茹でたカニを入れた。別鍋に、固めのホワイトクリームソースを作り、水を切ったマカロニの鍋を混ぜて冷やしたものを保存していた。この材料を等分して、小麦粉、卵液、パン粉を付けて、油でカリッと揚げた。半分に切ったバンズの下の部分の内側に水にさらして、水気を切った千切りキャベツにマヨネーズとケチャップを乗せ、揚げたカニクリーミーコロッケの上に、とんかつソースをかけて完成だ!


コウガは出来立てのデカデカバーガーとカニクリーミーコロッケバーガーを2個ずつ、お土産として、バージルに手渡した。


バージルは快く受け取った。おまけに、コーヒーに入れて、残ったシュガーの袋まで残さず持って帰った。かなりの始末屋だった。

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