第132話
後日、メイドリーダーのフレイヤが約束していた日に、リュウジンバーガーに現れた。そこには、アレキサンダーも同席していた。クマタンも一緒に4人で、小屋を見に行った。小屋は、マリアンヌの屋敷の近くにあった。
小さな小屋は、平屋建てで、かなり老朽化していた。中に入ると、何もなく、単なる小屋だった。
4人で小屋に入った。
フレイヤは「奥様は、あると管理が大変だとおっしゃっています!もらってあげてください!お願いします!」
小屋の中には、マリアンヌが保管している家財があった。
フレイヤは「こちらがプレゼントの対象の乳母車と絵画です。」
アレキサンダーは「ワシは、やっぱりこっちだね!この絵、立派で、値打がありそうだ!」
コウガは「小さいけど、この乳母車は、可愛くて、可愛げがあるね!」
コウガは、フレイヤに「いいのかな?こんなのいただいて・・・。申し訳ありません。」
フレイヤは「奥様もお喜びになられますよ。」
アレキサンダーは「トリュフの時でも、貢献度はあったんだから、当然と言えば当然だな!」
クマタンは「なんで、お前なんだよな?」
アレキサンダーは「いけませんかね~?」
アレキサンダーは、ほくそ笑んだ。
コウガは小さな乳母車をもらい、アレキサンダーは、絵画をもらうことにした。
アレキサンダーは「コウガ君、さすが、君、目が高いね!こんな乳母車、見たことない!さぞかし、高価で値打ちのあるものだよ!ワシは、こんな素晴らしい細工物の乳母車を君に譲るよ!ワシは、残り物の絵で、いいさ!壁に掛けていて、気分転換に見るだけでも、ワシには、ほっこりして、気分のいいもんさ!」
コウガは「いいの?それで。」
クマタンは「なんか、アレキサンダー、欲どしいくせに、怪しいな。」
アレキサンダーは「コウガ君のところは、ハンバーガー店なので、この絵を店内に飾っても、映えないよ。」
コウガは「じゃあ、絵は、アレキサンダーに渡すよ。」
“コウガ、バカなんじゃねーの?こんなつぶれかけの乳母車、粗大ごみにも出せないぞ。古ぼけて、誰かが彫刻刀で彫ったようないたずらもある。それに比べて、ワシの選んだ絵は、値打ちありそうだな。ワシのこの千里眼の能力に狂いはないはずだ。”
アレキサンダーは、心の中で、つぶやき、ほくそ笑んだ。
クマタンは「いいの?絵画の方がよかったんじゃない?」
コウガは「ううん!気持ちだけでいいよ!」
クマタンは「うん!」
この後、乳母車は、有名なモダンが造ったものだった!アレキサンダーが、クソミソの評価の彫ったサインで、判明されたものだった。かたやアレキサンダーがもらった絵画は、フェルメートの模造品だった。
それを知ったアレキサンダーは、リュウジンバーガーを訪れて、コウガにこう言った。
「やあ!目先の効くコウガさん!あのコンパクトタイプの乳母車、ワシを乗せると、ピッタリのサイズだよ!どうだ?ワシを乗せて、公園デビューなんて、いかが?それとも、不要だろう?バーガー屋に乳母車は、似合わない。お子ちゃまには、ゴーカートだろう?仕方がない!いっそ、もらってやる!」
クマタンは「誰が、お前なんかにやるもんか!おとといきやがれ!」
コウガは「クマタン、こんなのでもお客さんなんだから、ほどほど相手しないとダメだよ。」
アレキサンダーは「じゃあ、くれるの?」
コウガは「そんなこと、思ってませんよ。」
アレキサンダーは「そりゃそうだよね・・・。傾いたこの店のオーナーなんだから。期待するほうが、おかしいんだな・・・。ハッハッハッハッハッハッ・・・。」
どこまでもメンタル面の強いアレキサンダーだった。
コウガは、乳母車のおかげで、大金を手に入れた。しかし、モールやアパートも建て替え料金を負担するには、まだまだ足りなかった。しかし、店や他のオーナーたちは、順風満帆に事が進んでいった。
クマタンは「コウガ、これから、やることだらけだね。」
コウガは「うん。やるしかないよ。クマタン、これからもよろしくね!」
クマタンは「コウガのために、これからも頑張るよ!あのおじゃま虫のカス掴みのアレキサンダー、最近来ないね。どうせ、気が向いたら、また来て、悪態をつくんだろうね。」
コウガは「それが、アレキサンダーだろうね。」
その2人の噂のアレキサンダーは、ハズレを引いたのち、それでも、めげずに、本屋のおじいのところで、しぶとく、再起を企んでいる毎日だった。
「こんな、しけたところで、へこんでいるワシではない!今に見ておけよ!ひざまずかせてやる!じゃあ、仕切り直しのホイーをかますぞ!ホイー!!!」




