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第118話

ラオドールは「旦那様、お帰りなさいませ。」


アレキサンダーは“執事のおっさん、見るからに怖そうな顔だな。礼儀正しいな。堅苦しいのがたまにきずだな。”


アレキサンダーたちは、ラオドールの後に続いて、廊下を歩きだした。以前来たときと同じく、廊下は赤い絨毯(じゅうたん)が敷かれていた。かなりのふかふかだった。


クマタンは思った。“これだけ、上等だと、いくら人が踏んづけても、このふかふかは、なくならないだろうな。”


フローラは、“このふかふか、クマタンのもふもふに似ているな。クマタンの何匹分だろうか?”と以前と同じくそう思いクマタンを見た。


それを察したのか、クマタンは、フローラをにらみつけた。


アレキサンダーは“金持ちそうだなあ。このおっさんなら、しぼりがいがあるなあ。”密かに目論むアレキサンダーだった。


壁には、以前と同じく、油絵がかかっていた。2枚あって、1枚は、美しい女性の絵だった。たぶん、ヒルデグランドの奥さんだとアレキサンダーは、想像した。隣りのもう1枚の油絵は、レティシアだと思った。可愛く描かれていた。


アレキサンダーは「うわあああっ!!!素晴らしい!素晴らしい!綺麗な奥さん!可愛いお嬢さん!」大声でオーバーに表現した。


アレキサンダーにしては、珍しく褒めた。ヒルデグランドの屋敷は、かなり広く、アレキサンダーの声は、響き渡った。


ヒルデグランドは、それを聞いて、まんざらでもない顔をしていた。


アレキサンダーは“このバカ(ヒルデグランド)、すぐ騙されやがって!”


3人の女性たちがコウガたちを迎えた。


3人の女性は、頭に、ヒラヒラした布のブリムを付けて、装飾品のヘッドドレスを飾っていた。服はメイド服だった。女性の髪の毛の色は青色、黄色、赤色だった。信号機の色だった。見た目は人間そのものだったが、背中には、鳥の羽が生えていた。


アレキサンダーは“見栄えのする姉ちゃんたちだなあ。髪の毛は、3人そろって、信号機。鳥の羽が生えていて、使えそうだな。歩きすぎて、疲れたワシを羽ばたいて、運んでくれ。天にも昇るような心地よさは、このことだな。ヒルデグランドのやつ、いつも、姉ちゃんたちにかしづかれて、いい気なもんだな。嫁さんも娘も、もしかしたら、かどわかしたんだな。しかし、このアレキサンダー様がこの城の当主になったりして・・・。毎日、うまいもん食える。楽しみだなあ。そうなったとき、慌てんなよ。昔から言うじゃないか。勝って兜の緒を締めよってね。フフフ・・・今に見ておれ。後悔すんな。注意一秒怪我一生。”


野望に燃えるアレキサンダーだった。

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