第116話
デパート出店から、1週間ほど経ったこの日、コウガは、リュウジンバーガーの休みを利用して、ヒルデグランドの依頼のための日にした。
敵が何なのか特定できないので、モールのオーナーたちにも参加して、捜すことにした。
コウガは「皆さん、お休みのところ、すいません。」
フェリックスは「コウガさん、気にしないでください。」
コウガは「危険かもしれませんが、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。」
アルフレッドは「コウガさん、気にしないで。私たち、友達じゃない。」
アレキサンダーは「そうだ!ワシたちは、友達だ!一丸となれば、向かうところ敵なしだ!悪者かかってこいや!」
クマタンは「お前こそ、足手まといだ!」
アレキサンダーは「ワシは、望まれて行くんだ。例え、火の中、水の中、かかってこいや!」
クマタンは「どうだかな?」
ジュリエットは「それにしても、魔王城でしょ?」
ルイーゼは「怖いところかしら?」
シャーロットは「ダウジング持ってくわ。」
クルトは「僕は、ドーナツを持ってくよ。危なくなったら、投げて、敵が食べてるうちに逃げたらいいし。」
フローラは「そんなにうまいこといくかなあ?敵が甘党だったらいいけどね。」
エレノアは「クルトさんのドーナツ、美味しいから、夢中になるんじゃない?」
クルトは「ありがとう。」
ヘルムートは「いざとなったら、俺が、殴り倒すぞ!」
アレキサンダーは「まあ!頼もしい!素敵だわ!漢だねえ!」
ヘルムートは「いやいや。」
クマタンは「アレキサンダー!いいとこどりしやがって!」
アレキサンダーは「ヒルデグランドのやつ、よく、1週間待ったな。いくら、リュウジンバーガーや他のオーナーが時間が取れないとはいえ、不審者が居るのに、お前らの都合を受け入れたもんだ。魔王だったら、力づくで、“お前ら!ワシの命令だ!すぐにやれ!”って頭ごなしに命令するはずだ。最初からそんなの居なかったんじゃないか?それに、人間に頼るなんて、変だぞ!頼る相手もコウガがメインだし、おかしいな。もしかしたら、娘の遊び相手じゃないのか?」
そこに、ヒルデグランドが現れた。
アレキサンダーは、ヒルデグランドを見るなり「ヒルデグランドさん!今日も、天気いいですね!お元気そうで何よりです。」
クマタンは「アレキサンダー!お前ってやつは!」
アレキサンダーは「今日も元気なアレキサンダー君です!」
コウガはじめ、各オーナーたちは、アレキサンダーの変わり目の早さに呆れた。
ヒルデグランドは「みんな、揃ってるな。頼むぞ!」
“いつもながら、偉そうなおっさんだな。”アレキサンダーはそう思った。しかし、言葉にしたら、殴られるので、ここは控えることにした。
アレキサンダーは仕切り直しの“ホイー”をかました。
「では、行くぞ!」ヒルデグランドは、号令をかけた。そして次に、カレーポットをかざした。




