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第110話

フードコートで、コウガ、クマタン、アレキサンダーは、食べていた。


「あら、お久しぶり。」


女性の声がしたので、コウガは、その声の主を見た。ジョセフィーヌだった。


ジョセフィーヌは、以前、リュウジンバーガーで夫のマクロンと不仲だったが、クマタンの貢献があって、家庭内がうまくいったといういきさつがあった。


コウガは、食べている手を止め、席を立ち上がると「あっ!ジョセフィーヌさん!お久しぶりですね!お元気ですか?」


ジョセフィーヌは「お久しぶりね。あれから、忙しくてね。メイドにハンバーガーを買いに行ってもらってるから、それで、直接には行かなかったのよ。」


コウガは「承知してます。メイドさんから常々、近況をお聞きしていました。お元気で、何よりです。」


ジョセフィーヌは「コウガさんもお元気で、ハンバーガー店も盛況だそうですね。」


コウガは「ありがとうございます。」


「いやあ、こんにちは!美しい、お嬢さん!ジョセフィーヌさんですか。」アレキサンダーは、そう言うと、信じられないという顔をした。


ジョセフィーヌは「ほほほ。うれしいわ!ありがとう!」


クマタンは「アレキサンダー!この方は、奥様なんだから、失礼のないようにしろよ。横におられるのが、旦那様(マクロン)だ。」


アレキサンダーは「へえー!知らなかったなあ!きれいな奥さん。」


ジョセフィーヌは「面白いワンちゃんね。では、コウガさん、失礼します。」


そう言うと、ジョセフィーヌは去っていった。夫のマクロンは、ジョセフィーヌの買った商品を抱えて、あとを追いかけるように、去った。


クマタンは「おい!アレキサンダー!お前、見え透いたような噓をついたな!何か企んでいるんだろ?」


アレキサンダーは「天地神明に誓いまして、それだけは、ございません!彼女が美しすぎるので、そう言ったまでです!」


クマタンは「お前の言うことだからな。ほんとかどうか、怪しいもんだな。」


アレキサンダーは「それにしても、あの、おっさん、尻に敷かれてるんだな。可哀想にな。ワシが夫なら、もっと、下手に出て、気を付けるんだがな。」


アレキサンダーは、チャンスがあれば、ジョセフィーヌの家に、入り込みを考えていた。


“まあ、いつか、チャンスが巡ってくるだろう。それにしても、マリアンヌのところもガード堅いしなあ。入り込みも、なかなか、難しいが、こんなことで、諦めないワシは、大したもんだ!うんうん!”


アレキサンダーは、自分で自分を褒めていた。

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