表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/137

第98話

パソカ騒動がひとまず終わり、この日、モールのオーナーたちは、休みの日だったので、花見に出かけた。


近くの野原に、全員、参加した。


ビニールシートを敷き、木に咲いている花々を楽しんだ。


火をおこし、バーベキューをすることになった。


料理人は、もちろん、料理命のエプロンを付けたクマタンだった。ただ違うのは、材料で、全て、お金持ちのパソカの父親から、もらったものだった。パソカ帰還のお礼だった。


クマタンが材料を焼きだした。穂先のタケノコ、穂先の松茸、ホタテ、車エビだった。


焼けた山海の材料の匂いは、とても、食欲をそそる良い匂いだった。


クマタンは「もうじき焼けるから、みんな、待っててね!」と言った時だった。


「よう!!!」という聞きなれた声がした。アレキサンダーだった!


クマタンは「まーたお前か!」


アレキサンダーは「良い匂いをさせて、焼いているから自然に足がこちらに向いたんだ!この前、トリュフを食べさせてもらってないから、今度は、ゴチになりますよ!」


クマタンは「トリュフのことや今日のこと、何でも知ってるんだな!」


アレキサンダーは「お前たちのことは、何でも把握しているんだぜ!ワシに隠し事なんて、通用しませんぜ!クマタンの秘密も知ってるんですぜ!」


アレキサンダーは、トリュフのことは、マリアンヌが注文した本の配達をした時に、聞いたことだった。花見のバーベキューのことは、パソカの父親にパソカ捜索のお礼をねだって、もらうために、パソカの家に行った際に、たまたま父親がメイドに、この日の材料を調達するのを小耳に挟んだものだった。もちろん、クマタンの秘密を知っているというのは、はったりだった。


クマタンは「秘密なんかねーよ!それより、なぜ、お前なんだ?ところで、お前!パソカさんのお父さんに、情報を小出しにして、気を引いていただろう!下心があって、お金儲けのために、先回しにしていたんだろう!」


アレキサンダーは「いいや!慎重を期していたんだ!天地神明に誓いまして、それだけは違います!嘘偽りなど、ございませんよ!」


クマタンは「噓つきの言い回しだな!お前、その割には、でこに冷や汗かいてるぞ!トリュフの時だって、探さずに、寝てたじゃないか!」


フェリックスは「まあ、いいじゃないですか。クマタン。アレキサンダーは、野牛の貢献度もありますし。」


アレキサンダーは「さすが!フェリックス博士!目の付け所が違いますね!」


クマタンは「まーた以前の野牛の時のようだな!」


アレキサンダーは「しっかり、いただきます!そして、スモールプレゼントのゆずのポン酢を持参しました!」


コウガは「アレキサンダー!一応、ありがとう!あっ!クマタン、焼けてきたよ!」


クマタンは「みんな、食べ頃だよ!」


コウガは「タケノコ、松茸、日本では、季節違うけど、異世界では、あるんだよね!ホタテ、車エビ、全部、高価で、夢のようだよ!アレキサンダーが持ってきた、ゆずのポン酢で、食べたら、素材が活きてるねえ!」


アレキサンダーは「お役に立てて、うれしいですよ!」


アレキサンダーにしては、下手に出ていた。


シャーロットは「こんな美味しいものが食べられるなんて、うれしいわ!」


アレキサンダーは「素材が良いから、食べられる!ワシが持ってきた、ゆずのポン酢がよかったから、食べられる!焼き方は、まあまあだな!」


クマタンは「はいはい、そうですか!」とアレキサンダーに、嫌そうに、ウザそうに、対応した。


アレキサンダーは、フェリックスに「博士!次は、どんな発明を考えてるの?」


フェリックスは「今、開発中です!秘密です!」


アレキサンダーは「楽しみですね~!」と揉み手をした。


アレキサンダーは、商売の糸口をいつも探していた。


クマタンは、アレキサンダーを、こすいやつだと認識していた。


アレキサンダーは、遠慮なく、タケノコ、松茸、ホタテ、車エビを何度も何度もおかわりした!


遠慮という言葉を知らないやつだった。アレキサンダーは、ゆずのポン酢で、豪華な食材を堪能しまくった。まさしく、エビで鯛を釣った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ