第97話
オーナーたちが見ると、男性がうずくまって座っていた。
ヘルムートは「お前、誰だ!?そんなとこで、何をしているんだ!?」
男性は、座りながら顔を上げると「別に・・・。」
コウガは「幽霊でもなさそうですね!」
クマタンは「誰なんだ?一体?」
フェリックスは「何という名前なんだ?」
男性は「名前?知らないね。」
フローラは「ふざけてるの?」
男性は「何もわからないんです。」
コウガは「一体、何なんだろう?」
アルフレッドは「幽霊でなくてよかったわね!あれっ?クルト、どうかしたの?」
クルトは「・・・・・・。あんた、パソカじゃないの?」
シャーロットは「クルト、知り合いなの?」
クルトは「ああ!知り合いの人みたいだよ。」
男性は「パソカ?聞いたような気もする。でも、覚えていない。」
コウガは「なぜ、ここにいるんですか?」
パソカは「どこに行っても、厄介払いされたので、ここに隠れていたんです。もう少し、ここにいるつもりでした。たまたま、夜に、この建物付近で、犬に会いました。僕の持ち物を持って、僕のことを探してくれています。」
コウガは「へぇー。親切な犬なんだね。」
パソカは「白いチワワ犬で、偉そうにしていました。」
コウガは「・・・・・・。それって、まさかと思うけど、アレキサンダーかな?」
クマタンは「親切そうだけど、どうかなあ?確かに、アレキサンダーっぽいけどね。」
ルイーゼは「クルト、そのパソカって、どこの人?」
クルトは「お金持ちの家の人だよ!」
フローラは「そんな人がなぜ、こんなことに?」
ジュリエットは「事情がわからないけど、家に、連れて行った方がいいかもね。」
オーナーたちは、相談して、パソカを家に戻そうとした。
パソカを馬車に乗せて、パソカの家に、着いた。
パソカの両親は、パソカの帰宅を泣いて喜んだ。
父親は「昨日、白い犬がパソカのバッグを持って来て、パソカが生存しているのを知って、うれしかったです!ただ、パソカのいる場所がわからなくて、次の情報待ちだったんです!その犬は、チワワ犬で、目が線になっていて、『ホイー!!!』と言ってました!いやぁ、ありがとうございます!」
コウガは「やっぱり、アレキサンダーだ!犬の世界といえども、そんな特徴的な犬って、あいつしかいないな!」
クマタンは「あいつ、親切ごかしに、また商売根性出してるんだな!情報を小出しにして、商売しているんだな!あいつらしいね!」
父親は「クルトさん、お父さんも、あなたのことを心配していますよ!たまには、顔を見せてあげてください!」
クルトは「ありがとうございます!」
とりあえず、パソカは、家に戻った。記憶喪失になって、家がわからなくなっていた。
クルトは、パソカの知り合いで、大層なお金持ちの息子だった。




