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ひとりぼっちのVRMMO冒険譚  作者: 鹿田 丸男
12/18

北の赤色魔物域へ行く話

あれから数日、王都のダンジョンはあらかた潜り終えたので、いよいよ北の赤色魔物域に向かう事にした。<長距離転移(ロングワープ)>は一度行って事のある場所しかいけないので、なんど俺が確認しても、はやりノーザンは登録先にはなかった。さて、北の方なので、寒くなると思われる。なので、薪や炭、村にしばらく滞在させてもらうので、村人の人々のためになる食糧や布、綿なども買っていこう。そういうわけで俺は雑貨屋に向かう事にした。いつもの行きつけの雑貨屋に入ると、欲しいものはあらかたそろっていたが、俺はできるだけ多く買おうと思ったので、注文して翌日まとめて支払う事にした。次は、一応エイラさんに挨拶しておこうと思って、学園区の方に行くことにした。


***


学園区はその名の通り、東大陸最大の学園が存在する地区だ。あまりの大きさに、生徒に向けて販売していたさまざまな商店が多すぎて、もはや一つの商業地区になってしまった。おかげで学園区には生徒向けの安くておいしい料理屋や、最新のファッション点も多く存在し、生徒だけでなく、その他の住民も多く訪れる。前にエイラ先生から勤めている学園の場所は教えてもらっていたので、雑貨屋で買った女性向けなぬいぐるみをラッピングしてもらい、ノーザンに行く旨と感謝の礼も手紙に込めて、大きな袋に入れていた。教えてもらった学園にたどり着くと、衛兵に止められた。


「すいません、関係者以外は立ち入り禁止です。本日は?」

「ああ、えと、これをエイラさんにお願いできますか?」

「エイラ先生に?」

「はい、以前ダンジョンでお会いして、それでフレンドになりました。数日後に王都を出るので、挨拶を」

「はい、了解しました。責任をもってお届けさせていただきます」

「おねがいします」


***


翌日、雑貨屋で商品を受け取り、俺はギルドからノーザンの町へ商売に行く馬車の護衛任務を受け、ノーザンへ出発した。引き続きリザードマンの装備を着ているせいか、今回は依頼主には怖がられなかった。しかし、どうやら俺以外に受けた人はおらず、それを依頼主に聞いたら、ノーザンは寒すぎてめったに行こうとする人がいないらしい。この依頼主もギルドに依頼を出してから、既に2か月ほどたっていたそうだ。俺は依頼主さんに俺の腕前を信じてもらうために、王都の炎のダンジョンで倒した、ファイアボアのひざ掛けをプレゼントした。火の魔法が使えるボアなので、革がほんのり暖かく、かなり大きめのブランケットとして作ったので、折りりたためばひざ掛け、広げればブランケットになる。そうしてのんびりと馬車を走らせていると...


「強盗だ!金目の物は置いていきな!」


強盗だ、おお、ホントにいるんだ。レベルは、20くらい。うーん...デコピンしても首が飛びそうなので、脅しで引いてもらう事にしよう。


(魔力解放)


MPを消費して、全身から魔力を放出する。そしてそのまま強盗達の方へと歩いていく。


「失せろ!!!」


そういってさらに魔力を開放すると、強盗達はバタバタと気絶した。依頼主さんの元を離れるわけ人は行かないので、どうするか聞いてみると、殺しても構わないと言われた。流石にそれは気が引けるので、武器と服と有り金全ていただいて、裸で荷馬車に載せて、ノーザンで引き渡す事にした。なんか俺が強盗みたいだ。


***


それからしばらくしていると、ぽつぽつと雪が降り出した。依頼主は既にブランケットを使っているようで、嬉しそうに馬車を走らせていた。よかった。強盗達は気絶させているが、凍死させるのも気分が悪いので、ブランケットを雑にかけてやった。


数時間後、白い城塞で囲まれたノーザンの街が見えてきた。馬車と共にノーザンの街に入り、俺たちはまずは強盗を門番達に引き渡した。依頼主は達成の印を押してくれたので、俺はノーザンのギルドに達成の報告も兼ねていく事にした。


「という事で、これからよろしくお願いします」

「はい、ノーザンもあなたのような冒険者をお待ちしておりました」

「あっはい」


早速色々な討伐依頼を推薦された。どうやら冒険者の数が足りていないらしく、けっこう溜まっているようだった。なので、まずはそれらを消化する事にした。とりあえず受けられるだけのクエストを受けて、まずは宿屋を探す事にした。お勧めは熊の寝床亭という宿屋らしい。なのでとりあえず行ってみる事にした。


***


宿屋は大当たりだった。丸太や二重窓できちんと防寒対策がされており、大きな炉があるのがとても魅力的だった。炉に火がついていないても自然と温かく、心地の良い宿屋だった。なので、宿屋には一か月分の宿泊費を払い、王都で買った肉や布を渡したら宿泊費を少しおまけしてくれた。やったぜ。


数日後、ノーザンのギルドで受けた積みクエストを全て消化して、俺は今、赤色魔物域に向かっている。時間帯はだいたい午後7時30分、8時30分までに赤の入り口と言われる魔法陣でモンスターの血を垂らすと赤色魔法域に転送できる。ゲームの攻略には鏡世界に入るため反転した世界に注意と書かれていた。なので、まずは魔法陣を探す。ついでに近くのモンスターも倒しておこう。


それからしばらくして、魔法陣が存在する巨大な樹木の根元にいた。これはここ、ノーザンの森の最深部に生えている樹木で、8時半になると、夜になると同時に魔法陣が出現する。


そして夜、足元に赤い魔法陣が出現した。おお、これが赤の入り口か。よし、行くか。

俺はそこら辺で倒した冬猿(ウィンターエイプ)の血を足元の魔法陣に垂らした。すると、魔法陣が赤く光り出し、そのまま俺はぐるんと、体が地面ごと半回転したような気分になった。その後、魔法陣から少し歩いて、付近のモンスターを探してみると、狙い通り、赤色の肌をした深夜種になっていた。


「大アルカナ:星発動、星に(ウィッシュ)願いを(アポンスター)

(願いは?)

(俺が見たモンスターは眠れ)


そういうと、空の星が一つ光、同時に星の光が俺に降ってきた。どうやら成功したようだ。

大アルカナの星は特殊なカードで、星が出ている夜にしか発動できない。代わりに星に(ウィッシュ)願いを(アポンスター)という、自分の願いをなんでもかなえてくれると言う強力なスキルだ。今回俺が願ったのは、俺が目視したモンスターに強制的に睡眠のバッドステータスを付与すると言うものだ。正直これが一番強い。このスキルはアバウトな願い、世界征服とかそういうのはかなえられない。そういう場合は、星の光が俺に降ってこない。今回は無事に降ってきたので、成功という事だ。そういう事で、俺は夜天鎌を弓モードにして、眠ったモンスターは全て魔力で作った貫通性の高い氷の矢で仕留める事にした。


そういうわけで、探索スキルを使用して、早速モンスター達を眠らせ、氷の弓で仕留めいく。もちろん素材も回収しながら次を探す。流石赤色の魔物、偶に睡眠をレジストするモンスターもおり、最初のうちは一苦労だったが、慣れてこれば、完全に寝る前に矢で貫いたほうが早かった。そしてレベルの方もぐんぐん上がっており、目に見えて移動速度が上がっているのがわかった。それに弓を射る精度も上がってきた。最初のうちは胴体ばかりに当たっていたが、今では的確に眼球や頭を狙う事ができるようになった。

矢を魔力で作っているので、魔力操作のスキルも上がったようだ。星に(ウィッシュ)願いを(アポンスター)の効果が切れるのは日が明けてから、それまで全力でレベル上げをしよう。


早朝、日が昇ったころ、星に(ウィッシュ)願いを(アポンスター)の効果が切れ、俺も流石に精神的に疲れてきたので、いったん切り上げる事にした。恐らく今日だけで200体近く倒せただろう。さっきレベルを確認したところ、とりあえず100は超えていた。なので、西大陸には行けるようになっていた。だが、まだ足りない。せめて200や300を超えてから西大陸には行こうと思うので、一か月ほどはノーザンでお世話になろう。

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