#04 脅かされる読書タイム
幼稚園では、基本的に教室の中で過ごす。外では遊ばない。
外では玲が遊べないからだ。
僕が走ると着いて来れずに泣く。
僕が遊具にのぼると、遊具にのぼれずに泣く。
外で遊ぼうとすると、どうしても結局玲が泣いてしまうから、室内で過ごすことにしている。
教室ではもっぱら絵本を読んで過ごす。
読んで欲しい絵本を玲が僕の所へ持ってくる。
玲はいつも僕の左に座り、僕は玲に絵本を読み聞かせる。
速く読んだりページをめくってしまうと、玲がついてこれずに泣きそうな顔をしてしまうので、ゆっくりゆっくり読み聞かせる。
ページをめくるタイミングも、一呼吸置くように気を付けている。
こんな風に二人でのんびりとした読書タイムを過ごしていると、たまに他の室内勢が絡んでくる。
ときには「ジンくん、わたしにも絵本読んで!」と言って別の絵本を持ってくる子がいたり、
ときには何も言わずに僕の右側に座り、一緒になって僕の読み聞かせを聞く子がいたり、
ときには僕たちが読んでいる絵本を寄こせと、無理矢理奪っていく子がいたりする。
玲以外とも仲良くなりたかった僕は、他の子に構ってもらえることは内心嬉しいのだけど、最終的に玲が泣いてしまうので、仲良くなれずに距離を置かれてしまう。
玲にとって、ページを早くめくれと催促する子やお気に入りの絵本を奪う子達は、決して相容れない存在なのだ。
でも玲は怒らない。いや怒れない。 だから泣く。無言で無く。
それを僕がハグして慰める。
周りの子たちは、玲に泣かれると面倒なので、近づいて来なくなる。




