↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お世話係の憂鬱  作者: バネ屋
PR
37/45

#34 ザ・小学生と、ザ・お嬢様


 火曜日。


 朝7時に起きてシャワーを浴びて、出かける準備をした。


 水分補給用のスポーツドリンクと二人分のタオルをリュックに詰め込んだ。

 母上からデジタルカメラを貸してもらえたので、それもリュックにしまった。


 服装は、動きやすいハーフパンツとTシャツにして、去年玲とお揃いで買った麦わら帽子を被ることにした。

 ザ・小学生、と言える服装である。


 手提(てさ)げ紙袋に入れた手土産のクッキーも持って準備完了。


 少し早いが8時半に玲の家を訪ねた。



 花さんは既に出勤した後で、玲は一人で着替えなどの準備をしていたようだ。


『玲、準備できたー?』と玄関から尋ねると、スタタタタとリビングから駆け寄ってきた。


 玲の服装は、一言で言うと、ザ・お嬢様、といったところか。


 白いロングスカートのノースリーブワンピースに紺色のレースのカーティガンを羽織っている。


 玄関にヒールの高いサンダルが用意してあるので、これを履く予定なのだろう。


 僕の顔を見た玲は「あ、わたしも!」と言って、再び奥に引っ込んだ。


 直ぐに姿を現した時には、お揃いの麦わら帽子を被っていた。


『今日は暑いからね。水分とタオルは僕のほうで準備しておいたから、遠慮なく言ってね』


「うん、ありがと」


『それにしても、お嬢様みたいだね。ドキっとしたよ』


「変じゃない?」


『全然大丈夫。むしろ僕のほうが普通過ぎて気後れしちゃうよ』


「ジンくんも変じゃないよ?」


『そうかな、でもありがと。さぁ行こうか』


 玲が玄関の鍵をかけ、ウチに寄ってその鍵を母上に預けて出発した。



 バス停までは徒歩5分、手を繋いで歩いた。

 服装のせいで、何だか姉と弟みたいだ。



 今日は朝から日差しが強く、バス停に着くころには額に汗が垂れ始めていた。

 玲も暑そうにしていたので、タオルを渡してカーティガンを脱いだほうがいいと伝え、脱いだカーティガンを預かった。


 予定よりも1本早いが直ぐにバスが来たので乗り込み、窓際の席に玲を座らせ隣に僕も座った。



 乗り換えのJRの駅に着いて降り、次のバスを待っていると玲の顔色が悪くなっていた。


 お腹が痛いと言うので、駅の構内へ連れて行きトイレへ行かせた。

 10分程で出てきたので、調子を聞く。


 キツイ様なら今日は取りやめようかと話すと「大丈夫、絶対行く」と頑なだった。

 ひとまずベンチに座らせて、スポーツドリンクを飲ませてタオルを団扇替わりにしてあおいだ。


 どうも本人が言うには、緊張しすぎてお腹が痛くなったようだ。

「背中ポンポンしてほしい」というので、ベンチに座ったままハグして背中ポンポンしてあげた。


 そういえば、最近泣かないからハグする機会も少なくなったよな、と思い出しながら『大丈夫大丈夫』と諭しながら玲の気が済むまで背中ポンポンを続けた。


 玲が「もう大丈夫」と少し復活したので、バスの時間を確認し、次のバスだと着くのが10時を過ぎそうだったので、直ぐ近くの公衆電話から渚先生のケータイへ少し遅れると連絡を入れた。


 バスを待つ間、玲には『最近、手紙のことや洋服選びにクッキーも一日掛かりだったから、忙しくてきっと疲れちゃったんだね』と”渚先生と会話”することへのプレッシャーを意識させない様に話し、少し遅刻することくらいは気にするなと慰めた。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。