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お世話係の憂鬱  作者: バネ屋
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#25 相談からの長電話


 その後、僕も渚先生からの手紙を読ませてもらった。



 手紙には、手紙へのお礼と突然の手紙にとても驚いたが嬉しかったこと。


 結婚や出産、最近のお子さんの様子などの渚先生の近況が書かれていた。


 玲に対しては、久しぶりに顔を見たい、お子さんに会わせたい、1度連絡が欲しいとケータイ電話の番号も書かれていた。



 読み終えて玲へ顔を向けると、玲は両手で大事そうに封筒を持ち”石黒 玲様”と書かれた自分の名前をとても(おだ)やかな表情で見つめていた。



『渚先生、玲の手紙すごく喜んでくれたね。大成功だね』


「うん、よかった」


『電話をして欲しいって書いてあるけど、どうする? 玲、自分でかけられる?』


「・・・むり、ジンくんおねがい」


『う~ん、ここでいきなり僕が出てくると、渚先生ガッカリしないかな?せっかく玲が一人で頑張って書いた手紙も、僕が手伝ったみたいに思われないかな?』


「でもやっぱり電話で話せる自信ないよ・・・」


『なら玲ママにかけてもらおうか。僕からも事情を説明するから』


「うん、お願い」




 ということで夕食を早めに済ませ、母上にも簡単に事情を説明し、食後は玲の家へ移動して玲ママが帰宅するのを待った。







 帰宅を待つ間、玲と二人で玲ママの夕食を用意した。




 玲は肉ジャガを作った。

 僕は洗米して電子ジャーへセットし、塩ジャケを焼いた。




 玲ママが帰宅したので二人で玄関へ行き「おかえりなさい」と出迎え、着替えている間に台所へ移動して二人で玲ママの食事を配膳した。


 玲ママが食事の為に着席すると、僕と玲は玲ママの対面に座った。






「玲ちゃんが夕飯作ってくれたの? 美味しそう!」


「うん、ジンくんも手伝ってくれた」


「そう、ジンくんもありがとうね!」



 早速食事を始めニコニコモグモグしている玲ママをしばらく二人で眺めていた。



「ごちそうさまでした」


「お粗末さまです」


「それで、何かお話があるのかな?」



 中々切り出さない玲の顔をチラリと見ると、ジンくんおねがい! と目で訴えてきたので、仕方なく僕から説明した。


『実は、幼稚園の先生だった渚先生に、玲が手紙を書いたんです』

 と手紙を出した経緯や目的を説明し、今日返事が来たこところまで話した。


 渚先生からの手紙を玲の方から玲ママへ手渡し、玲ママにも手紙を読んで貰う。


 読んでいる間、僕から玲へ『玲ママへのお願いは自分で言うんだよ』と念押しした。





 玲ママは手紙を読み終えると

「渚先生、赤ちゃん生まれたんだね。とっても幸せそうだね!

 玲ちゃんに会いたいって書いてあるけど、会いにいくの?」


「うん、会いに行きたい」


「そう! 今夏休みだし、うん、行っておいで!」


「それで、電話をしたいのだけど、ちゃんと話せる自信ないから、代わりにママにお願いしたいの」


「そっかそっか、じゃぁ今から電話かけよう!」


 と言い、玲の返事も待たずにバックからケータイを取り出し、渚先生の手紙を見ながら本当にかけてしまった。


 玲は、心の準備が出来ていない為か、アワアワしてた。


 電話が繋がると

「夜分に申し訳ございません。石黒玲の母です。娘からお手紙の話を聞きまして、ええ、急にご迷惑お掛けして申し訳ありませんでした。いえいえ・・・・」と長電話が始まるのだった。









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