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お世話係の憂鬱  作者: バネ屋
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#00 始まりの入園



 僕には友達が居ない。


 唯一、女子の幼馴染が居るだけだ。


 この幼馴染のせいで、僕には友達が居ない。





 彼女の名前は、石黒 (レイ)


 道を挟んだ向かいに、母親と二人で暮らすご近所さん。


 ウチの母と玲の母親が友人で、産れた時から僕たちは一緒に育てられた。


 僕たちが幼稚園に入園すると、仕事で忙しい玲ママに代わって、ウチの母が玲を預かり僕と一緒に送り迎えしていたことから、幼稚園では常に一緒に行動していた。

 正確には、僕の後ろを四六時中、常に無言で玲が付いて来ていた。




 玲との一番古い記憶は、幼稚園で玲がおしっこを漏らして、泣く玲を連れて先生に報告したら、「漏らす前におトイレに連れて行ってあげないとダメでしょ!」と、僕が怒られたことだ。




 玲は、とにかく喋らない。


 一緒にいる時間が玲ママよりも長い僕ですら、幼少期に玲の声を聴いた記憶は無い。


 ただ黙って僕のシャツを(つか)んで着いてくるのだ。


 話かければ、首を縦に振ったり横に振ったりして答えはするが声は出さない。


 でもトイレに関しては恥ずかしいのか漏らしたトラウマなのか、聞いても答えない。

 おしっこに行きたくても意思表示をしないのだ。


 だからほっとくと、漏らして立ち止まって泣く。

 声は出さずに、黙って涙をポロポロ零す。そして大人から僕が怒られる。



 なので、玲の意思関係なくこまめにトイレに連れて行く。


 こうやって子供ながらに玲の扱いを少しづつ身に着けていくと同時に、周りの子供たちからは距離を置かれる様になっていった。










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