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ハブの秘密

「ハブは談合坂のお友達優遇政策に反対する層の支持が強いですね。しかも、知的でかわいい。弟にしたいランキングNo.1です。」

 1年のカツラギが淡々と報告をする。

「レイには無理だな。こうつは猿並みの知能しか持ち合わせていない。」

 いやいや、エレンのやつひどいいいようだな。

「談合坂は逆にお友達支持ですね。しかも、彼等の逆鱗にふれれば親の仕事にまで影響があるという恐怖政治。」

 3年のノリベンは、3年間の各部の人数と部費の一覧表を見せた。

「公私混同もはなはだしいわけだ。こいつは探れば色々問題がみつかるだろう。」

 報告を聞いて、エレナはしばらく考えていた。

「まずは、ハブの票を取り込む必要がある。レイは将棋が指せたな。」


「いやあ、こないだ完敗したからな。とにかくネット上では正確無比。」

「やつは、イベントなどで棋士同士の直接対決はあるか?」

「最初のころはあったが、ぼろ負けですね。その後、ネットの早差しに転向。まるで別人のような強さだという話です。」

 あやしいだけではどうにもならない。今も、彼の対戦状況を眺めながら、何か手は無いかと考えていた。


「ハブソウタ。至急、臨時選挙管理員会室に来るように。」

 バタバタと廊下をハブが通っていく音がした。

「両者とも拮抗してますね。AIの評価は五分五分といったところですよ。」

「だれでもいい。対戦を録画するんだ。」

 エレンがすぐに指示した。2年のトビキュウが急いでタブレットで記録を開始する。


「アスカレイ。至急、臨時選挙管理員会室に来るように。」

 なんだ?何かやったか?僕は急いで、ヤマトノの待つ部屋に行った。

「選挙先日に候補者の討論会を行なう。ついては来賓に談合坂議員と水田知事がおいでになる。そこで、彼等から直接質問を受けることにした。候補者別に質問が用意されている。内容は事前に通知してもらった。」

 そういって、ヤマトは僕に一枚の紙を渡した。

「他の候補の情報が漏れないように、紙で渡す。回答を準備しておいてくれ。」


 内容は、主に学校の自治のあり方と学生のあるべき姿を問うものだった。

「お猿には難しいだろ。私が書いておこう。」

 そういってエレンが紙を預かろうとした。

「いや、自分で考える。」

「ふん、猿にもプライドがあったか。まあいい。」

 エレンが素直に引き下がるときには、何かをたくらんでいる。しかし残念ながら、それを見抜く力は僕にはない。


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