攻撃
マリのスタジオで急遽、選挙用の映像を取り直した。言っちゃったものはしかたない。公約は生徒復権である。
最初に、生徒復権の文字が飛び出す。そして、なぞの3人組の踊り。
「みんな大好き、カレー。あすは大好きカレー。かれはアスカレイ。」
謎のインド映画のような歌と踊りで始まる映像。誰もが一瞬して釘付けになる。
そして、いかに不条理で不当な校則があるかがコントで流れる。
僕らは自分の信念において自由に行動する。真の民主主義実現のために。
学校の旗を掲げながら、光の中に3人が立ち上がる。
「ちょっとやりすぎじゃないのか?」
僕は心配になった。
「リスクを恐れていては勝利は無い。問題は中身ではない。記憶に残ることだ。だいたい生徒会に興味を持っている生徒なんてわずかだ。ほとんどの生徒にとって生徒会なんてのは触らぬ神にたたりなし。だが、面白いやつが出たとなれば票は動く。いい例が令和初の参議院選挙だ。内容よりもネットを駆使したパフォーマー軍団に人気が集中した。人気と言うのは理論じゃない。雰囲気だ。」
エレンのやつが珍しく正論を吐く。
「それ、こないだ僕の兄貴から来た忠告のメールだろ。」
なんだ、受け売りか。おかしいと思った。
「僕に仲間ができたことがよほどうれしかったようだ。たまにはそとに出て現実の世間を体感して来いってさ。」
そして、ついに選挙戦本番に突入した。各候補者の映像が一斉に配信された。




