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俺と障害者とお料理タイム

「えっと?産業廃棄物?ドブの水?あと、合成獣(キメラ)?」

「カルボナーラ」「シチュー」「ドリアです!」

目の前には3人の女と3つのゴミがあった。

「食べて」「食べてくれないか?」「食べてください!」

なんで俺死線が見えてんだろう。




「えっここ?」

「そうですけど、なにか?」

いやメチャデカイじゃん、常識の範疇を超えてるよ?

「じゃあ鍵をどうぞ、さようなら〜」

少女はあっさりと去って行った。

「意外と大きいわね」

シルヴィアは、意外と感情的なので、嬉しそうなのが見え見えだし、

「........」

アリシアは驚きのあまり放心しているし、

「大きい家ですね〜ねっリリー」

先程名前を聞いたココミは妹とはしゃいでいるし皆、思い思いの反応をしていた。

「よし、みんな落ち着け!」

「落ち着いてるわよ」

落ち着いていないわよ?

「はいっ!」

「は、はい」

この姉妹は一番まともである。

「........」

まぁ...アリシアはいいや。

「まず一回、部屋を確認するんだ、わかったな?」

「はいはい、全く興奮しちゃって」

はいはい、一番興奮しちゃって

「は〜いリリー行こっ」

彼女らはあったばかりだというのに、さも親しげに返事をし中に入っていき。

シルヴィアは「やれやれ」という感じでうきうきしながら中に入っていった。

「........」

「おい、そろそろ起きろ」

「あ、ああ....」

といった感じで皆、中に入っていった。





「すごく広いですよ〜!」

「大きいね、お姉ちゃん!」

「まぁそこそこね」

「あ、あ....」

中は一階は、かなりの広めのダイニングキッチンとなっていた。

「二階は見たのか?」

「はいっ八つ部屋がありましたよ!」

な、8LDKだと!サラリーマンの年収換算したら何年?何十年になるんだ!?

「あと、階段下に一つ部屋が」

9!?もうよくわからんくなってきた。

「....でも本当に私達も住んじゃっていいんですかね、とっても迷惑をかけたのに...」

「みりゃわかるだろ部屋があまりに余りまくってんだ逆に住まない理由がない」

「でも、何も償わない私が、こんなに幸せでいいんでしょうか」

「だから軽々しく償うとかいうな、世間一般で言う償うは、罰で罪の上塗りをしているに過ぎない、俺はそう考えてる、もちろん俺の言い分が正しいとかは、決められるもんじゃないし、言う通りにしろとも言わんでも、正解なんて求める必要はない、そんなものを探してたらきりがねぇよ」

「.... わかりました」

まだ、ココミには時間がいりそうだ。

「私、二階を見て来るわ」

「わ、私も」

「俺も....と思ったけど一階にも部屋があるならいいや、そっちも生活圏に男をあんま入れたくねぇだろ」

「あら、階段下でいいのかしら?」

「住めば都っていうだろどこでも住めればいい」

「そう、じゃあね」

それだけ言い残すとシルヴィアはアリシアを連れてうきうきしながら、階段を登っていった。

「階段下ねぇ」

中は暗くてよく見えないが、中2で成長が完全に止まった俺には体格的にはちょうど良かった。

「うん、日も当たらないしいいとこだな」

根っからの引きこもり気質である。

「あとは....よっと明るさを付与してっと」

付与術師(エンチャンター)は生活雑貨ではないが意外な役に立ち方もある。

「えっと、ん?本がある....」

本は昔から好きだった最近はラノベ一択だったが、昔はよくアンデルセンの童話とか読んだものだ。活字中毒クラスなくらい本を読むのでこれはありがたい。

「まぁ、あとは軽く掃除すれば、住めないこともないな、暇だしあいつらでも見に行くか」




「おい、調子はどうだ?」

階段を上がると廊下からずらっと八つ部屋が並んでいて、階段に一番近い部屋で、アリシアが荷物を整理していた。

「いや、部屋が広すぎて使いかたがよくわからんのだが」

「まぁ二階の部屋はだいぶ広いな、まぁ剣とか並べときゃいんじゃねぇの」

「それもそうか」

と言って、空中から鎧やら剣やらを引っ張り出し始めた、めっちゃ便利だよなそのスキル。

「そのスキルって、どうやっても覚えんだ?どの職業見ても使えなそうなんだけど」

「ああ、この世界とは概念が少し違くてな、私の元いた世界は、レベルが上がるとそれを自分のパラメータに振ったり、スキルに振ったりできるという、概念だったんだ」

「そもそも、この世界とは話が違うってことか」

「でも、逆に私が転職することはできるのだろうか?」

「気になるところではあるけど、何になりたいんだ?」

「ダンサーだな」

「ダンサー?そりゃまたどうしてだ?」

「可愛いじゃないか」

世間一般の感覚を持っているとは、

「そ、そうかじゃあまた今度な」

鎧が似合うなんて口が裂けても言えねぇ。




「あっライさんじゃないですか!」

でた唯一の常識人達。

「ライさんなんて呼ばれる筋合いは無いのだが?」

「ごめんなさい癖で、」

「癖ならまぁいいや、で、どうだ?捗ってるか?」

「いや〜物が少なくてもう終わっちゃいましたよ」

「ふ〜ん、リリーはどうしたんだ?」

「リリーは一人でいいって言って隣に行っちゃって」

「....リリーって何歳なんだ?」

「えっと、8歳ですね」

「へぇ意外としっかりしてるな」

「でも、私が寂しいんです!」

うわぁ妹離れできてねぇ、なんとなく違う部屋にした理由がわかったわ。

「じゃ、じゃあな」

ふぅシスコンから逃げきれた。




「あ、こ、こんにちはライさん」

ロリと話す夢が叶うとは....

「またさん付けか....」

「ごめんなさい....」

「いやいいんだけど、できれば、違う呼び方してくれないかな」

「えっと....ライ様?」

「それは、とてもまずい!」

「え、じゃあ暗黒神ライ様?」

「いや、そんなド○クエVIIIのラスボスみたいな名前で呼ばないで!そっち方面じゃなくてもっと親しげな感じで!」

「じゃ、じゃあ、ライお兄ちゃん?」

「ぐはっ!」

「なんで死にかけちゃったんですか!?」

あ、あまりの可愛さに、尊死するとこだった、はぁ〜、あぶね!

「えっと変えた方がいいですか?」

「いや!絶対に変えないで!永久固定!」

「は、はいわかりました」




「とても気持ち悪いのだけど」

いかんいかん、顔面崩壊してた。

「で、何の用かしら?」

「別に用はない、暇だっただけ」

「ふ〜ん」

別に用がないなら出て行けアピールがひどい。

「あっじゃあ俺もう行くわ、んじゃ」

とっとと撤退。




「えっ飯をみんなで食うって?」

これだから、コミュ力の化け物はあったばかりの奴と飯を食うだと?できるわけがなかろう!

「みんなで食べた方が楽しいじゃないですか!」

「そうは言っても、誰が作るんだ?」

「あ、えっとですね〜、自信はあるんですけど、料理したことなくてですね、誰かできる人いませんか?」

「したことないわね」

まぁでしょうね、

「当然したことないぞ」

あれ、こういうキャラって意外と女子力高いのが売りなんじゃないの?

「と、なると、誰もできないな」

「う〜ん困りましたねぇ、あ!じゃあこうしましょう

これからレシピや食材を調べて三日後に誰が一番料理ができるか決めましょう!ではそういうことで〜」





で、現在そういうわけである、俺はラブコメにありがちな、作りすぎたんだからね!あんたのためなんかじゃないんだからね!といった話でこうなったわけではない、ワンチャン死ぬ。

「「「さぁ速く!」」」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ遺書を書いて来る」

「もういいわ!」

と言ってシルヴィアが産業廃棄物(カルボナーラ)を押し込んで来た、口いっぱいに生ゴミの味が広がりある意味才能を感じた。

「何を使ったんだ....?」

「普通に、パスタ、生クリーム、チーズ、ベーコン、塩コショウ、卵を使ったわ、少し無難に整えすぎてしまったかもしれないわね」

あれ?シルヴィアって錬金術師(アルケミスト)だっけ?一般的な材料でここまでの味をだせるとは......きっと一流の錬金術師(アルケミスト)なのだろう。

「どうかしら?」

「人間が摂取してもギリギリ大丈夫な味をしているな」

「あっ私のも食べてくれ」

今度はドブ水を口の中にぶち込まれた。

「おぶぅっ!がは、死ぬ....」

「そうかそうかそんなに美味しかったか、変だな、材料は、偶然持ち合わせていた、ヤドカリグモの身と、アジフェナンスドラゴンの肝、パジテイフィカルアジアンテラストヤリハイグソクムシの殻しか使っていないのだが、やはり才能だろうな...,」

そんな得体のしれねぇもんを喰わせたのか、そもそもシチュー作ろうとして使う食材なのか!?

「アウト、これを他のやつに食わすな!」

「美味しすぎて他の人に渡したくないと、なるほど」

「私のはどうですか〜?」

「却下」

まず生きてるしどんどん酷くなってるこの状況でこんなやばそうなもん食ったら死ぬ。

「なるほど、食べなくてもわかるくらい美味しそうなのですね!」

はいでた、なんで女性陣はそんなポジティブシンキングなんだ!?

「お姉ちゃん、今日みんなが料理作るって聞いたよ!

私最近簡単な食事しかしてなかったから楽しみにしてたの!もう食べてもいいの?」

ダメだ!女神にこんなものを食わせちゃならん!

「じゃあ、一番美味しかったのをライに選んでもらってそれを食べようリリー」

「ライお兄ちゃんどれが一番美味しかったの?」

「リリー、いいかい?よく聞くんだ、この世界には、聞いちゃいけないことがあるんだ、だからちょっと待ってるんだよ?」

「?わかったちょっとだけ待ってるね!」




「ライお兄ちゃんすごく美味しいです!誰が作ったんです?」

「一応俺」

「ライお兄ちゃんは意外に女子力高い系男子なんですね!」

うんうん聞いたことないけど可愛い可愛い。

「よし、3人はこっちだ」

俺は3人を連れて、空き部屋に入った。

「で、だが、どうしてこうなったと思う?自覚あるか?」

「なんのことかしら?」「なんのことだ?」「?」

「オーケー、1人ずついこう、まずシルヴィア」

「だからなんのことよ」

「おまえが作ったのはゴミだ」

「!」

「はい次、アリシア」

「なんだ?」

「ありゃ食いもんじゃねぇ」

「!」

「最後に、ココミ」

「な、何ですか〜?」

「ありゃ食いもんからできるもんじゃねぇ」

「!」

「以上、お前らは一生料理するな、あ、あと自分で作ったもん食ってみろ、すごいぞ、じゃあな」

後で部屋を覗いたら、机に突っ伏してる3人がいた。

それを見届けたあと俺は寝た、そして明日の本当の死線が始まる予感など感じずにどうでもいい夢を見ていくのだった。






















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