8話
前回の投稿から2ヶ月...……本っっっっっっ当に申し訳ございませんでした。少しリアルの方が忙しくなってしまい、小説を書く余裕が出来なくてこんなに長期的に間を開けることになってしまいました。すいません、ただの言い訳です。楽しみにしてくれていた方々本当に申し訳ありません。これからは少しずつですがちょっとずつ書いて行こうと思います。そんな駄目な私の作品をそれでも読んでやろうという寛大な方はこれからもよろしくお願いします。
「5日?!」
俺はピリカに聞き返す。
「ええ、普通に行けばそれくらいかかると思うけど。」
その言葉を聞いて焦燥感が全身を覆う。
まずい。
俺がクロエに飛ばされて体感で2日は経ってるとして、ここから5日でマグメルにつくとしたらグライドさんとの約束の一週間という期限に間に合わない。
「なんとかすぐに向かうことって出来ないのか?」
俺はダメ元でピリカに聞いてみる。
「んー、まぁないこともないけど。」
「あるのか?!」
思いがけない返答に思わずピリカに顔を近づける。
「あー寄るな!鬱陶しいから!」
「頼む!どうしても早く行かなくちゃいけないんだ。教えてくれ!!」
俺は頭を深々と下げて懇願する。
「いいけど、早く行けるかは貴方次第よ?」
「それでもいいから教えてくれ!!」
一週間というタイムリミットがなければ歩いても良かったのだが今回はそうもいかない事態だ。
現状それしか方法がないならそれに縋るしかない。
するとピリカに俺の熱意が伝わったのか呆れた様子で承諾した。
「分かったから頭上げなさい、説明してあげるから。」
ピリカは少し間を開けて言った。
「空を飛びます。」
「え?」
俺は思わず聞こえていたはずの言葉を聞き返す。
「だから、空を飛んで行けば2、3日で着くわよ。」
「……あのですね、貴方様はその美しい羽根があるから飛べると思うのですが、僕にはそんなもの付いてないのですが。」
「そんなの分かってるわよ。だから貴方には今から空を飛べるようになってもらうの。」
「いやいやそんなの魔法じゃあるまいし。」
「よく分かってるじゃない。今から貴方に教えるのは呪法っていう魔法よりも凄いものよ。」
いまのは冗談のつもりだったのだが…
俺のことはお構いなしにピリカは話を進める。
「じゃあさっき私が大地の魔力を使ってマグメルの位置を特定したように、今度は風の魔力を使って空を飛ぶわよ。」
「簡単に言うけど、さっきやってみても全然できなかったぞ?」
「貴方気を失う直前に自然の魔力を感じ取れてたんでしょ?なら話は簡単よ。ちょっと死にかけなさい。」
「いやなにちょっとおつかいに行ってきてくらいの感覚で言ってんの?!そもそも本当にあれが自然の魔力だったのか自信ないのに。」
「いいから時間ないんでしょ?!さっさと始めるわよ。」
有無を言わさずそう言うとピリカは目を閉じ、集中する。
するとピリカの周りに緑色の光が集まり始めた。
その光景は本当に神々しく蛍が彼女と戯れているかの様に見えた。
その蛍のような光が1つになりピリカの全身を覆う。
そしてピリカは目を開くとその光を俺の顔目掛けて発射させた。
いきなりの事で反応しきれず俺はその光を顔面で受けてしまう。
しかし、その光は俺の顔を包むだけで特に何も起こらない。
「一体...何を?!」
そう聞いた瞬間に違和感に気づいた。
ピリカは俺の質問に答える。
「いまあんたにかけたのは『治癒』の呪法。この呪法は普通に使えば傷や病気なんかを癒すただの回復作用しか起きないんだけど、ある箇所にかけることで回復ではなく別の作用が起こる。それは」
「睡眠...作用...か。」
ピリカの言葉を遮って俺は答える。
「正解。ある箇所...つまり脳にかけることでとてつもない睡魔を発生させるの。今からあんたは気を失って私が助ける前の状態になってもらう。その間にあんたは自然の魔力を感じ取る感覚を掴んできなさい。ちなみに、そこそこな量の魔力を使ったから呪法が自然に消えるのは3日ってところね。それよりも早く起きたければ自力で起きてきなさい。」
「お前...ちょっと...スパルタ...過ぎない……。」
「そう?私はこれでも『治癒』の精霊と言われてるのよ。優しいに決まってるじゃない。それじゃ頑張ってねー!」
ピリカの激励を最後に俺の意識は深い闇に落ちていった。
本当に申し訳ありません。次の投稿も頑張りますので懐の深い方はよろしくお願いします。深くない方もできればですがよろしくお願いします。首を長くして待ってくれていると幸いです。