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雑多  作者: 莉猫。
~雑多の章~
98/170

白い貝殻


耳に当てた白い貝殻から

小波の音が聞こえてきた



ひんやりひらけた空洞

その空気に溶かされて

目を瞑ると

心まで澄んでいく



十七年間生きてきて

初めて感じる美しさ

砂浜に貝の破片が

散りばめた宝石のように輝っている



体育座りした足を崩して

新たな貝殻に耳を当てると

さっきのとは違う音がする



ひんやりとした水の中に

細い足を入れ 一際大きな波の音を聴き

じっと佇んでいる



ピンクの貝殻 赤い貝殻 割れたホラ貝

みんな違う音がして

みんな違うイメージがある



そして私ははっとする

最初に当てた貝殻が

特別なものではないことに



金銀に耀く海を眺め

空の群青 そらの蒼とを見据え

新しい貝殻を探してみる



そして小波の音がする

白い貝殻を見つけた





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