割れない卵の育て方
どんなに慎重に扱っても
知らぬ間に罅が入って
割れてしまう卵
温めていたつもりでも
何かの拍子で
傷付いてしまう卵
厳重に育てるより
自然の成り行きに
任せた方がいい卵
卵の性格は十人十色
割れやすい卵もあれば
割れにくい卵もある
卵を生んだ親鳥が違うように
これから生まれてくる小鳥も
同じ一羽はいない
卵の育て方は難しい
卵は自ら助けを求めない
けれどそれは
何処かで助けを
求めているということなんだ
卵にはあらゆる悩みがあるけれど
自分の力で解決しようとする
それは親鳥に叱られるとか
説教されるという理由からでなく
親鳥を悲しませたくないからだ
涙が溢れてきたら
拭かないでほしい
優しく温めるということが
卵に罅を入れてしまう
困難を乗り越えることで
柔らかい卵は堅くなり
一人前へ成長する
といっても
全ての卵が同じように
成長する訳ではない
困難を乗り越えられず
割れてしまう卵もある
傷だらけで 穴の開いたものもある
真っ白で半透明な卵は
なかなか見つからない
卵同士で傷付くこともあれば
互いの卵を見せ合って
仲良くなることもある
本当に苦しい時
励ましてもらえないのは悲しい
特別な卵ではなくても
価値のある卵ではなくても
卵は誰かに 認められる権利がある
そして愛される権利がある
珠玉の卵を持つのは一握りでも
誰かの珠玉の卵にはなれる
抱えれない悩みを抱いた卵が
殻に閉じ籠る前に
何も言わず
優しく寄り添ってあげて
卵の表面に付いた傷は
少しずつ癒えるから




