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理想と現実
久しぶりに
わたしと会ってきた
彼女は今の状態に満足していて
後悔している過去も
笑い合った友達も
受け入れて
どんなに辛いことでも
逃げずに戦っているという
失敗もするし涙が出る日もあるけれど
それでも前に進んでいるという
そしてこれからは有名な人になると
まったく抽象的な夢を
描いているらしい
過去の友達や恋話でしばらく
彼女と盛り上がっていたけれど
私は彼女に嫉妬というような
羨ましいような憧れているような
そんな感情を抱いていた
わたしという人は
可もなく不可もなく
一度見たら忘れてしまいそうな顔を
しているけれど
何か引っ掛かるものがあるんだ
わたしと手を振ってさよならした後
私はとても悲しくなった
わたしと私はいつも一緒にいる二人だった
だから悲しいのだ
こんなに理想と現実の距離が
離れてしまったのかと思うと