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雑多  作者: 莉猫。
~雑多の章~
82/170

帰路



沈んでゆく赤い夕日を眺め

大きなあくびをした後

金網の向こうにいる誰かも知らない

ソフトボール部の一人にさよならを言う



遠くにある青い電灯や黄色い家々が

プロのカメラマンが

撮影したかのように丸ボケして

イルミネーションみたく輝いている



前を歩く高校生達も

会話している声だけが耳に入り

何人いるのか分からない



ただ制服は黄昏の黒に紛れ

一つ浮き出た白いリュックサックが

火の玉のように揺らいでいるだけだ







×××××××××××××××××××××××××××××××××

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