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午睡
髪の毛をすり抜ける風が心地よい
青天の昼下がり
ベッドに横たわり
真っ青な美空を見上げ
在りし日の君を
夢想する
一人きり
部室の窓を開けて
曇り空の下
バッドを振る君の姿を
じっと見つめる私
心臓の高鳴りを抑え
風に煽られ靡く髪を
耳にかけた在る夏のこと
好きということを告げて
進展しないまま終わった恋
私はこれで良かったんだ
君に思いを伝えられたなら
今 君はどうしているだろう
太陽の光を受けどこまでも行く
飛行機を凝視する
あの飛行機は何処まで行くのか
きっと私の手の届かない所で
夢を叶えるのかな
そして沢山の事を経験した先で
いつかまた出会えたなら




