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朝の歌
悴んだ手をポケットに入れ
駅のホームに佇む
寒い早朝の冬のこと
光線の白い柱が放射状に降り注いでいる
私に向かって
灰色のフェンスも細い光を放ち
太陽は今 私だけのためにある
金色の駅の景色
白んだ山々は未だ眠っている
朝がこんなにも
気持ちのよいものだったとは!
闇から覚めた新鮮な空気を
肺胞いっぱいに取り入れる
昨日あんなに暗かった線路が
金色に呑まれている
私は一つ欠伸をし
腕時計を見つめた
駅のホームには人が増える
ちらほら学生の姿もあった
今もこの世界に住む者が
私の方に歩いてくるだろう
電車を使ってバスを使って
私達の朝は始まったばかり
暫くして赤い電車が
光を遮って私の前に停まった
つり革を握り半分になった
今日の太陽をじっと見つめる




