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航海
貴方に恋をしたことを
後悔することになるでしょう
過ぎ去ってしまえば
何故好きになったのかも
分からない
一時の思いだけで
ここまで来てしまったこと
春一番
壁がうねって
ぐらりと揺れる
何も可も忘れてしまうのです
貴方の感じられない温もりも
恋なんかせず勉学に打ち込めば良かったと
後悔する日が来るのです
好きだった人のことを
気持ち悪いと思ってしまう
恋が冷めた後に押し寄せてくるものは
現実と期待外れと絶望だけ
貴方もいずれそうなってしまう
そうなってしまうのでしょうか
大好きだったはずなのに
そう思ってしまう日が来るのでしょうか
ならば恋をしたことを
詩として書いておきましょう
かつての貴方がそうしたように




