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車+樂
撥ね飛ばされた
私の体
腸や内臓やら飛び出て
真っ赤な血をばら撒いている
ピンポールカメラで撮った
景色のように暗む視界
前を歩いていた同い年の人達は
崩れた肉を見て叫んだ
叫んだとしても私の素性は分からない
ただ其処で死んだだけの
無意味な血肉が私なのです
例えば何処かの誰かが
死んでしまっただけであって
そこに名前があるだけで
どんな人なのかは知らない
ピンポールカメラの中に四角い
手の平サイズの物が映って
私の腕として使われたものが
一瞬だけ白くなりました
車道を横切ろうとしたら
大きなトラックが
迫ってきて歩道に戻って
そう思った




