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雑多  作者: 莉猫。
~雑多の章~
55/170

バドミントン

ラケットを振る

分からずに振る

シャトルがネットに

吸い付いて

体育館の床に落ちた


下手くそだ

何回も練習しているのに

打つ方向すら儘ならない

零れ落ちるシャトルに

狙いを定め

打ち返すことも出来ない


私 下手だよ大丈夫

前もって言ったその言葉に

あなたは笑って返してくれた

このままではこれが

私の実力として

届いてしまう


違う 違うのに


サーブを失敗すると

優しく教えてくれる

がっかりさせたくないから

打ちにくくなる

変な方向に飛ばした時

あっと言う声しか出なかった


私じゃない 私じゃないのに


練習すれば

それなりの

実力がついていくのに

あなたの笑顔が

崩れてしまうのが怖くて



十本のうち四本だけ

成功するようになった

これではゲームも儘ならない

あなたと向き合って

同じ時を過ごす唯一の時間なのに


私とあなたの道は違う

こうして面と向かって

話す機会もほぼない

こんな短い幸せの中で

いつも藻掻いている


あなたともっと一緒にいたい

どれだけ時があったとしても

物足りない

そうだ 明後日に向けて

バドミントン

練習しておこうかな

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