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雑多  作者: 莉猫。
~雑多の章~
30/170

過信

頂上うえ目指して来た

一切下を見なかった

下なんて見たくもなかった

真下にあるのは深淵の海

苦しみと自己嫌悪の地獄

そんな苦しみなんて

味わいたくないと思ってた





上に行けば必ず

何かあるだろうと信じた

いつ壊れるか分からない

ガラス張りの橋の上を

ゆっくり、ゆっくり、歩き続けた





赤い靴を履いた足元が

くるくる廻って狂い回る

海が此方を向いて

手招きして呼び寄せている




それでも負けじと橋を渡った

頂上はまだまだ遠かった

上に行けば絶対に

未来が見えると思ってた




ガラス張りの綱渡り

海がやめてもいいよと嗤う

意地っ張りな私は今日も

頂上を目指してる

此処が地獄だと知らず

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