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グレイ
大空に羽ばたけと
云われて育った
扉を開ければすぐ
悠久の大地があると思ってた
ふと籠の隙間から
洩れた光明は
私に希望を与えるのに
十分すぎた
気付かなかったの
光が当たれば影が出来るって
明るい所がきれいなせいで
私はただあの大空を
自由に飛んでいけるだろうって
限度を知らないまま
羽をばたつかせ
飛ぼうとしてたんだ
時は来て
扉が開いたその日から
私は飛ぶのをやめてしまった
大きな窓から初めて見た
光と影の灰色世界
どうして光はあんなに
眩しく見えていたんだろう
こんな世界じゃ私
羽が焼け落ちてしまうわ




