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幼心
見て見ぬフリはしない
悪いことをしたら謝る
ずっと守ってきたこと
いつから
忘れてしまった?
大丈夫ですかと
声を掛けてくれる人も
もう居ない
あるのは
嘲笑と軽蔑だけ
やらなかったら
笑われるから
そうやって必死になって
ようやく出来たことでさえ
当たり前だと言われるから
いつから出来ることは
当たり前になったのか
服を着たら
喜ばれるような
何もかもが新鮮だった
あの頃に戻りたい
戻りたいと願っても
過去は変わらないものだから
せめて幼心は忘れずに
大丈夫ですかと
声を掛けてくれる人も
もう居ない
居ないのなら
なろう
汚れたのが大人なら
いつまでも
純粋なままでいよう




