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雑多  作者: 莉猫。
~多彩の章~
136/170

夏蝉



茹るような暑さの中

汗は頬を滑り落下した



蝉が鳴き出している

朝の強い陽射しに

アスファルトは白く反射して

家影は黒さを増す



数日前はした

花の雌しべの籠った香り

排気ガスの錆びれた匂いと

交じり合って分からない



シャンシャンシャンという熊蝉の音

ジーィという油蝉

夏蝉の贅沢な合唱祭

もうじき休暇に入るのだ

言い聞かせて溝蓋を踏む




下唇を舐めると甘酸っぱい

粘着質な汗の味

重い荷物を持った

そのすぐ横をバスが通った




バス停のベンチに腰を下ろすと

靄がかった蒸気が掻き消され

ひんやり

気持ちが落ち着いた








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