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雑多  作者: 莉猫。
~多彩の章~
120/170

青い春の歌

 


 失恋しても 尚

 君が好きだった

 忘れていたのに

 不意に思い出した



 最後の高総体

 中学生の頃と変わった姿を

 見てほしくて

 君が試合に挑む様を

 応援したくて



 私の高校の試合が終わった後

 君をさがしたのに



 私は 泣いている

 薄灰色の壁に凭れ掛かって

 青空は蒼を一層強くし

 木陰はぼやけて潤んでいた



 君に会いに来たのに

 探す途中 君と

 同じ部の人に見つかって

 急いでここまで逃げてきた



 頬に温い涙が伝う

 君は気付いているだろう

 私が君に会いに来たことに



 人目に付かないこの場所は

 日曜の静けさに包まれて

 灼熱の太陽はこの場所から

 照り付けることはない



 君は何をしていたのだろう

 私が他の人に見つかるまで

 君はどう思ったのだろう

 私が現れたことに対して



 変わった姿を見せたかったのに

 私は全く変わっていなかった

 失恋した時のように

 私は全く変わっていなかった



 君は今の高校で

 学習し生活し

 恋愛をしているかも

 しれないというのに



 変わらぬ私は

 止まったまま

 行き先も知らず

 歩き続けている




________もう永遠に帰らないことを思つて

酷薄な嘆息するのも幾たびであらう......







 手後れだと私の声が

 頭に流れ込んできて

 君のいる場所を避けて帰った














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