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雑多  作者: 莉猫。
~多彩の章~
118/170

習作

ぶっ壊したい、叶わないものなんか。






時刻は午前二時だった

君は母指球を真っ黒にして

2Bの鉛筆を倒しつつ

左手をデッサンしていた



手といっても 皺や陰

質感表現は 難しい



Hの鉛筆でハッチングして

暗い所に暗い色を

明るい所に白を

練り消しで丁寧に入れていく



細やかな線の集合は

決して嘘を付かない

君は猫背になって

遠くから見ることを怠る




掴めない時が 一番苦しい

どれだけやっても

思い通りにならない時が




手を伸ばして

画用紙に描いた手を

じっと見つめる

人間の手ではなかった




こんな小さな街にも

上手い人はいっぱいいる

親に言われた上手だねは

大嘘だったんだ




それでも鉛筆を握る

碌でなしの線を描き連ねた

本当の手に近付くために

碌でなしの線を描き連ねた









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