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第1話 親友キャラでも告白されてごめんなさい!(前編)

さぁ始めるぜ!(。 ー`ωー´)

それは日も傾き始めた学校の屋上で突然始まった。


「君の事が……すっ……好き……なのよ……」



これは告白である。


誰がどう見ても告白である。


俺だって信じられないが告白である。


我が17年の人生で初めて受けた告白である。



いつもならとてつもない喜びで飛び回っているだろう。


多分、あまりに喜び過ぎて、引かれ、ふられているだろう。



だぅぁーがしかし!



今回はそんな気になれない!なれるわけなどない!


というか衝撃でしかない!


なぜなら、そんな言葉を俺に伝えたのは……


「茜……先……輩……?」


そう、それはあの、あの、茜先輩からの告白だった……


「えっ、先輩……い、い、今……な、な、な、な、なんて!?」


「な、何度も言わせないで!だからね……私は……ずっと……」



さぁ、今、俺はどうしてこんな状態になっているのか……


どうなってしまったのか……


読者様方をおいてけぼりにして何が始まってしまったのか


それは前日に遡る……。





舞台は放課後の河川敷、親友のハーレム野郎正人との帰り道、

彼から話された重大な話から始まったらしい…………




では、では昨日の放課後にーーーーー


リバイバ〜ル! ※してません





ーーーーーーーーーーー 前 日 ーーーーーーーーー



「大丈夫だって!お前なら!」


夕焼けに染まる河川敷で俺は正人にこの言葉をかけた。

俺は何度この言葉をこいつにかけた事だろう。

不安に思うお前を何度この言葉で安心させただろう。


正人はこれから先輩に告白をする。


1年の頃から思いを寄せた茜先輩に遂に思いを伝えるのだ。


どんなに他の子に好きと言われても、

どんなにその子達との関係が壊れることになっても、

正人は、1人の茜先輩という女性を好きであり続けた。


不安な気持ちも分かる。

だが、不安に思う必要は一切ない。


なぜなら……

二人は両思いだからだ。


まぁこれは俺の予想でしかない。

だが俺はこの手の予想は外した事がない。

ましてや、親友の恋愛事情だ、外すわけなどない。


だから分かる。


正人が告白すれば必ず相手は首を縦に振ると

俺は確信を持って言える。


「だからこそ、お前が頑張らくてどうすんだよ……」


「で、でも……俺みたいな冴えないやつの事なんか……」


なんてネガティブさだ。


こいつは自分がモテてた自覚がないのか?


お前、1年の頃ずっとハーレムだった事気付いてないのか?


本当に羨ましいやつだよ。


でも、それほどまでにこいつは先輩一筋だったって事だ……

なら……


「ならお前は先輩が好きじゃないのか?」


俺は少し意地の悪いセリフを吐いた。

もちろんそれは正人の本当の気持ちを引き出すための言葉だ。


「そんなんじゃない!俺は茜先輩が好きだ!」


こんなに堂々と自分の気持ちを宣言できる。

こんなに1人の女性を好きでいられる。


俺はそんな正人が羨ましかった。


だからこそ応援しようと思った。

親友だからってだけじゃない、そのまっすぐさに

頑張って欲しいと思った。


だから……


「なら……その言葉、俺じゃなくて先輩にぶつけて来い!」


これが俺にできる最後のエール。

親友からお前に送る最後のエールだ。


すると正人は目線を上げ俺を見た。そして


「……あぁ……ありがとう圭!やっと勇気が湧いてきた!

ちょっと行ってくる!」


そう言うと正人は走り出した。

その足取りはとても軽く、熱く、そしてかっこよかった。


「あぁ言って来い!」



俺はそう言うと走り行く正人を見て、


「全く、やれやれだぜ……

俺はお前という主人公の親友キャラ……かよ」


そう呟きながら、あいつの後ろ姿を見て笑みをこぼした。


そしてそのまま家へと帰った。

その足取りは正人同様に軽やかなものだった。


(明日、正人がどれだけいい顔をしているか楽しみだ)


そう思いながら俺の1日は終わっていった。


余談だが、その日の俺はとてもよく眠れた。


どんな夢かは忘れたがとても良い夢を見ていた気がする。




まさか次の日にあんなことが起こるとも知らないで……







ーーーーーーーーーーー 本 日 ーーーーーーーーー




晴れ渡る空、白い雲、何一つ変わった事など無い


はずだが……



登校中に正人の姿が見えない。



普通ならその程度気にしないだろう。


だが、昨日告白を終えた次の日に会わないとなると話は別。

気になるのは当然だ。


俺は嫌な予感がしていた。


(まさか……ね……)


その後、教室に着いてもあいつの姿がない。

周りを見渡しても廊下を見ても……


それは俺の不安を更に増長した。


そして……



俺の不安は的中した。



とうとう、あいつは学校に来なかった。


きっと、昨日何かあったのだとこの時になって思った。



そしてそれを理解した俺は……


とてもショックを受けていた。


それはもちろん、あいつがふられたかもしれない事が悲しくて……


というのも(多少、うん少しかな?、いやないかな……)、

あるが……



それより、何より、自分の予想が大ハズレって事に


かーなーり! ショ〜ックを受けていた!



では、ここで俺の内心を見てみよう……


(わぁー呼吸楽しいなぁー!

息をしてるって、し、あ、わ、セ!

このまま呼吸に集中してれば波紋身についたりしてー!

…………………スーッ、ハーコォォー………………スーッ、ハー………

あー……もう呼吸すんの辞めようかな……)


と、頭のおかしいうつ状態になり未だに抜け出せぬ模様です。


大分やばいです。


人間、自分の予想に自信がある時、その予想が外れると精神が持たなくなるみたいだ。


それが今の俺。

まさに俺。



だがしかし、こうなると気になる。


ん?何がって?


そりゃあ先輩がなぜ正人をふったのか、だ!



俺の予想に反して正人をふった茜先輩が何を思い、どういう事を考えていたのか。


正直、ふられた友を励ますよりも先にそっちが気になった。


ふられた親友よりも、だ。



だがそれはとても失礼な質問をすることになる。

何せ、告白を断った理由を聞くのだから……。


まぁ、まず一つ質問の例を見てみよう。



Q「先ぱーい、何で正人ふったんすかー?」


A「失せなさいカス……」



そう、質問によっては死にかねない、


いわばこの質問は……


Dead or alive だ!


(どうする?俺よ。聞いちゃう?聞いちゃうか?

でも聞いたら……死の確率が……どうする?どうする?どうする?)


と、考えたが…………結局……



好奇心には勝てませんでしターーー!



(そうと決まればすぐに聞こう!行くぞ俺!)


俺は放課後まで悩んだ結果先輩に話を聞く事にした。


そして俺が決意を固め、立ち上がったその時、教室のドアを開く音と共に美少女が現れた。


清楚で可憐なたたずまいに、整った顔立ち、出るところが出た美しいスタイル、そして、黒い艶やかな髪に、クールなその眼差しが我々男性陣を一瞬で虜にした。


だが、俺はすぐに気がついた。


この人は……


「茜先輩!……どうしてここに!」


そうこの人はあの茜先輩だ。


正人をふったあの茜先輩だ!



俺はつい大きな声で先輩を呼んでしまった。

これから会いに行こうとしていた先輩が今ここに現れたのだ、そりゃ驚きもする。


「あら、城之内君……

そんなに大きな声で私の事を呼んでどうしたの……ですか?

とても迷惑何だけど……」


先輩は嫌そうな顔をしながら冷たい返答をした。

前々から思っていたが、どうやら俺は嫌われているかもしれない。


「いえー、なんというかー、すんません。」


「いいわ……別に……君にそういうの期待した事無いから……」


うん、嫌われてるね。すんごい嫌味だね。

というかどストレートに言われると傷つくよね。


「そんな事言わんで下さいよっ、いくら俺でも傷つくじゃないっすか!」


「あら、君にそんな感性備わっていたのね……」


「誰かー!先輩がいじめてくるー!」


と、いうように、俺と先輩はいつもこんな感じだ。

大体は俺の事を罵倒してくる。ひどい人だ……


もっとも……先輩は基本的に人との交流が多いわけではなく、だいたいの相手に対して一言程度の会話しかしない。

それでも、そのクールさが好きという男子も多いらしい。



だがそんな彼女でも、正人と話している時は笑っていた。


泣いたりもしていた。


だから、俺は両思いだと思ったのだが……


(あっ……そういや)


俺は先輩を呼び出そうとしていた事をすっかり忘れていた。


そう思い、話そうとした時、


「そんな事どうでもいいのよ……

……私はあなたの事を呼び出しに来たの……」


「……はい?……俺……ですか……?」


俺は逆に先輩に呼び出されてしまった。



俺はこの時何か嫌な予感がした。


それはさっき感じたものとは違う、嫌な予感だった。




ーーーそしてリバイバル(※してない)は続く







お読みいただきありがとうございます〜。


次回もできれば読んでいただきたいものですな。



次回


親友キャラでも告白されてごめんなさい(後編)





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