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みずうみのうみの船―泡にたゆとう海の境(ウナサカ)へ―  作者: まいまいഊ
そして、夢見る希望の行く末は―ー
22/22

最終海・湖の海の舟

『予測された未来は、常に解釈の一つに過ぎず、予知された時点での可能性は万華模様(ミルフルール)万華鏡(カレイドスコープ)のように、どのようにでも再構築できる次元にある』




 1つの湖と1つの島。

 それが、彼らの故郷の全てであった。その世界(こきょう)は「箱の中」のようであった。いや、本当に箱の中だった。

 その閉ざされた箱の蓋は、開かれた。彼らは管理された小さな楽園を離れ、これからは生きていかなくてはならない。


「変わった匂いのするところだね」

 巨大な船の甲板に出て、その全てに感動するのである。

 太陽の沈みかけた空は、ほんやりと赤くにじみ始めている。昼と夜の狭間に渦巻く風は、船上を流れ、海原を駆ける。波々のざわめきと、潮の包み込むような香りが、髪を撫でていく。

 ほんのりと漂う潮の香りに、そして、広い空に、広い大地に。どこまでも続く、水の海に。


 手に入れたのだ、本物の空を、


 手に入れたのだ、本物の闇を、


 手に入れたのだ、本物の海を、


 そして、本物の海の果て、海の境界、『海界(ウナサカ)』を。



「おおうなばらへと、たびだつよ~ん?」

「そうだね、あの遥かなる海の境へ」

 広い自由に満ちたこの星で。本物の海の上で。彼らの冒険は、はじまったばかりなのだ。




 ――空には、大きく輝く『光』が浮かび、その旅路を照らしだす。

 この広い空の下、宙に青白く浮かぶ星が見守る中、海の上を旅した話は紡がれていく。



 そして、

 彼らを乗せた船は、


      白い軌跡を描きながら、


      世界に広がる、


      母なる海、




      ハルカナル ウナサカに



             旅立った――






★よんよんの秘密の日記「おおうなばらへ イカリをあげろ」★

 日記は、白紙だ。

 これから、書き加えられていくのだろう。


挿絵(By みてみん)


 この広い空の下、


 宙に浮かぶあの故郷の(ほし)が見守る中、


 海を旅した話で……

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