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仔猫の恋  作者: くろくろ
黒猫と狐さんと小話いろいろ
56/61

狐さんの知っている彼女のこと②(伝えたい言葉編)

狐さんが何やら話したそうです。

【ホテルのレストラン】


ドラマを視聴中の二人。

俳優「結婚してほしい」

女優「…っ!はい、私でよければ」

俳優「ありがとう…指輪、付けてもいい?」

女優「えぇ…(頬を赤らめ)」


珠稀「じー」

直「(珍しいな。タマがあんなに恋愛ドラマに集中するなんて)」

珠稀「直さん」

直「うん?どうした?」

珠稀「あの二人、イチャイチャしてて気付いていないようだけど、デザートのタマゴ型になってるチョコの表面に水滴が浮かんでる」

直「…よく見てるな」

珠稀「中身はアイスと見た!!(カッと目を見開き)」

直「(すごい気迫だ)」

珠稀「外気との温度差であんな風になっているんだよ、きっと!あぁ、イチャイチャはもういいから、中身を見せてよ~~(テレビにかぶりつく)」

直「(ホテルのレストラン、美しい夜景とムードはあるのに、そこはどうでもいいのか。タマらしいっていえば、タマらしいけど。…よく俺、告白に集中してもらえたな)」


珠稀「直さん、笑ってるけどどうしたの?」

直「いや…うん。場所はともかく、タイミングは大事だと再確認しただけだ」

珠稀「?」


そういえば直さん、ケーキ食べてる珠稀に告白してたな~と思い出して。




【一八〇度のパノラマ】


引き続き、テレビを視聴する二人。

ナビゲーターの女性「ベッドルームから見えるこの風景!夜景をご覧下さい!綺麗でしょう~」

珠稀「お~」

直「すごいな」


ナビゲーターの女性「一八〇度見渡せる美しい風景を独り占め出来る、こちらのスイートルームの宿泊代はこちらのお値段になります!!」

珠稀「お、おぅふ(値段にビビる)」

直「そもそも、俺がベッドのある場所で冷静じゃいられないから却下だな」

珠稀「?」



【事中・事後】


珠稀「……(ぐったり)」

直「まぁ、ムリだろうな…。タマ、水飲むか?(ペットボトルを差し出す)」

珠稀「う、うぅ…(のろのろと震える手を差し出す)」

直「言質は取れるだろうけど、タイミング的には最悪だ。それに、だいたいからして聞いてないだろうし、な(ボソッ)」

珠稀「?(ぷるぷる震えている)」




【花畑】


散歩する二人。

珠稀「へー、河川敷にこんなキレイな場所があるんだね」

直「すごいな、一面花で埋め尽くされてる」

珠稀「誰か、管理してる人でもいるのかな?」

直「品種としては、ごく普通に道端に生えてる種類だからどうだろう?…入ってみるか?」

珠稀「うん!」


直「足元、気を付けて(珠稀の手を引きながら)」

珠稀「はーい(生返事)」

直「(大丈夫か?)」

珠稀「わー、本当にきれ…ひっ!?」

直「どうした?」

珠稀「いいい、いま、あの音が」


ぶーん


直「あっ、蜂」

珠稀「いやぁぁぁぁあっ!!(直に飛び付く)」

直「ぐわっ!?(驚きつつも抱き留める)」

珠稀「やややややだ、蜂こわい蜂こわい!(べったりは張り付く)」

直「いや、でもあれはミツバチ…」

珠稀「でもわたしもうにかいさされてるから、つぎさされたら(ガクガク震える)」

直「はいはい。じゃあ、移動するよ(しがみ付かれたまま移動)」

珠稀「ひ~ん(涙目)」




【夕焼けなキレイな浜辺】


珠稀「水着がない」

直「まず、そこか。いや、別に水着を着る必要はないんだけど」

珠稀「?じゃあ、何しに行くの?」

直「うっ……」




【帰り道】


直「タマ…(手を繋いだまま立ち止まる)」

珠稀「?」

直「このまま、一人の部屋に戻るのは寂しい、な(寂し気に笑いながら)」


珠稀「あっ、じゃあ(犬江家を指さし)。家に寄る?」


直「(そうじゃないっ。『一緒の家に帰りたい』っていう言葉の前フリなのにっ…。そうじゃないんだ、タマ!!)」

珠稀「な、直さん急にどうしたの?あの、その、地面そんなにキレイじゃないから、落ち込むなら家で落ち込んで……」




【昔からの引き継がれている言葉】


珠稀「あ、あれ?直さん早いね?(出勤前)」

直「あぁ、何も持たずに来たからいったん部屋に戻ろうかと思って」

珠稀「なるほど。…で、なにしてるの?」

直「朝ご飯を作ってる(お茶碗に自分と珠稀の分をよそう)」

珠稀「……だいぶ馴染んでるね(自分の女子力のなさに凹む)」

直「お母さんに了解を得て、好きに使わせてもらってるからかな。俺が勝手にやってることだから、そんなに落ち込まないでくれ(台所から出て来て、たまきの頭を撫でる)」

珠稀「テーブル拭いて、運ぶよ。後、後片付けはまかせて」

直「了解。お願いするよ」


珠稀「…直さん」

直「ん?(みそ汁の椀を下ろし)どうした、急に真顔になって」

珠稀「毎朝、私におみそ汁を作って下さい(真顔)」

直「……え(絶句)」

珠稀「よろしくお願いします(深々と頭を下げる)」


または、珠稀の場合「毎日、卵焼きを作って下さい」だと思う。




【おまけ】


志良「プロポーズ?そんなの、事後に眠ってる相手に結婚指輪でも嵌めとけばいいだろ?」


美織「結城、ってしまえ」

直「了解」

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