狐さんの知っている彼女のこと
珠稀がチョロい。
【どこを見てるかわからない目】
珠稀「(じー)」
直「(さっきから、何もない壁を見てるが…ハッ!まさか、霊が見えるとかかっ!?)」
珠稀「(…いや、やっぱりチーズケーキよりチョコレートケーキの気分だ、今日は)」
【構われるのを嫌がる】
志良「なーなー、この冷ましてるフィナンシェさぁ(フィナンシェを触ろうとする)」
珠稀「触んな、バカ兄貴ーーっ!!(猫ぱーんち!)」
志良「いてーっ!?」
直「別に、構われてるのをイヤがってるわけじゃないだろ?」
【忙しいとき程、側に来る】
平日の夜、直さんの部屋にて。
直「ヤバい、仕事が終わらん(資料に付箋を貼ったり書き込んだりしつつ)」
珠稀「直さん…」
直「悪い、タマ。せっかく来てくれたのに」
珠稀「いいえ。…もう少しだけ、こうしてていい?(直の背中に懐きつつ)」
直「………もう少ししたら、送ってく」
理性が(笑)
【こわいもの】
レイトショーに来た二人。
直「いいのか、これで(おどろおどろしいパンフレットを見せながら)」
珠稀「だ、だいじょうぶ!あにきでもだいじょうぶなんだから、わたしだって!(目がすでにぐるぐるしている)」
直「(すでに大丈夫じゃない)」
珠稀「(ビクッ)な、直さん!ななな、なにをっ!?」
直「ん?あぁ(繋いだ手を持ち上げて)こわそうだから、タマの手、握らせて?」
珠稀「直さんがこ、こわいのなら、仕方ないよね!うん、いいよ!(手をギューッと握り返す)」
映画の佳境
直「タマ、タマ。ちょっと、手を股にはさむの」
珠稀「ひぎゃぁぁぁぁっ!?(直の腕にしがみ付いて手は股に挟んでいる)」
直「画面に釘付け!?……今、この手を動かしたらさすがに気が付くか?」
【極度の恥ずかしがり屋】
珠稀「(ガクガクブルブル)」
直「生まれ立ての小鹿…いや、仔猫か」
珠稀「うっうっ、うぅ…(直の腕に縋り付きながら)」
直「(『うるさい!』といいたいのか、それともただ呻いてるのか。わからないなぁ)」
女性A「やたらとカノジョの方に身を乗り出して、映画中ずっとジャマしてる男がいると思ってたらあんたなの、結城(呆)」
女性B「志緒里さん、たぶん逆だと思うけど…結城君、お疲れ様です」
直「は…?(振り返り)あぁ、こんばんは。お疲れ様です(にこやか~)」
女性A「胡散臭さっ!」
直「失礼ですね」
女性A「まあ、取り敢えずお疲れ-。あんた、恥ずかしくないの?あんなにくっついてて」
直「人前でしたら、節度のある距離でいますよ(しら~)」
女性B「(今は?)」
女性A「あんたは本当に、営業向きよね(呆)ところで、そちらの子は?」
直「あぁ、彼女は…あっ」
パシッ、シュバッ
珠稀「(腕を離してダッシュで距離を取る)私は…(周囲に人気がないことに気付き)あわっ、あわわわわっ(パニクる)」
直「(恐怖よりも恥ずかしさが勝ったか)」
女性B「結城君、呼び戻した方がいいんじゃ…」
女性A「どうしたんだ、あの子。足が震えてるけど」
直「先程のホラーが原因ですのでお気になさらず(にこ)」
女性B「(気にしてあげた方がいいんじゃないかしら)」
女性「…むしろ、映画見ないようにもっとジャマしてあげなさいよ。わかっててやってるんでしょ(呆)」
直「さて、何のことやら(しかし迎えには行かない)」
そもそも、ホラーを見なければいいだけの話。
【律儀ではある】
直「ほら(回収)」
珠稀「ははは、はじめまして。いぬへ、たまきでふっ!(ガクガクブルブル)」
女性A・B「(噛んだ)」
珠稀「ふ、ふうぅぅぅ(口押さえて涙目)」
直「はいはい(頭なでる)」
【会社の鈴木さん】
直「で、こっちは会社の同期の鈴木さん(女性Bを指す)。部署は違うけど」
珠稀「は!はじめまして!(ガクガクブルブル)」
鈴木B「はじめまして、よろしくね(まだあんなに震えているのに律儀ね。また、舌噛みそうだけど)」
直「それと、こっちは彼女の同僚の鈴木さん(女性Aを指す)」
珠稀「はじ!……うん?」
鈴木A「鈴木でーす!よろしくぅ!(笑)」
【騙されやすい】
鈴木A「私と彼女(鈴木Bを指し)、双子なの!そっくりでしょ~」
珠稀「はい(真顔で頷く)」
直「タマ、こんなあからさまな嘘に騙されるな」
鈴木B「それは、どういう意味なの?」
鈴木A「あんたが一番、この純粋そうな子を騙してんでしょうがっ(怒)」
珠稀「(オロオロ)」
【意外にパニックが長引く】
鈴木’sと別れて犬江家へ。
直「二人のいる部署には、あともう二人鈴木さんがいるんだ。一人は男だけど」
珠稀「そうなんだ。私のところは、そういうのないなぁ」
直「(落ち着いたか)あぁ、もう着いた、な(犬江家を見上げて止まる)」
珠稀「あっ、もう着いたの、か…え?(真っ暗な家を見上げて硬直)」
直・珠稀「………」
珠稀「あああああにきぃぃぃーっ!?(パニクる)」
直「(また戻った)」
【計算はしていない】
珠稀「あわ、あわわわわっ(挙動不審)」
直「(さて、どう出るかな)」
珠稀「な、なおさん」
直「うん?」
珠稀「う、うぅっ…(しどろもどろ)」
直「じゃあ、俺は」
珠稀「な、直さん!(遮る)」
直「何?」
珠稀「うっ、うっ…今日、親もいないからと、泊まってって…(涙目&上目遣い)」
直「ぐっ…!(呻き声)」
珠稀「(直の服の袖を握りながら)お、お、お願いします(ガクガクブルブル)」
直「(あざとい!わかっててやってたら、あざとい!)あぁ…わかった」
珠稀「(涙目)」
【犬なら怯えたときにやる仕草】
直「(自分の部屋にも一人で戻れないって)あっ」
珠稀「(びくぅ!)な、ななななにっ!?」
スタスタスタ、バサッ!
直「(ブランケットを持ち上げ)やっぱり!」
珠稀「なに、なにっ!?抱き枕に何かあるのっ!?(パニック)」
とっさに、股にものを挟むクセがある珠稀。
【トイレ】
直「なぁ、珠稀さん…手、離してくれない?」
珠稀「や、やだ…。ついてく」
直「いやいやいや、俺そんな趣味ないからやめてくれ!!」
珠稀「?」
【チョロい】
直「珠稀、そろそろシャワー浴びてきたら?明日も早いだろ?」
珠稀「うぅ…(半泣き)」
直「………」
珠稀「……(袖を引っ張る)」
直「……」
珠稀「……(上目遣い)」
直「はぁ…わかった。準備するから」
珠稀「う、一人で」
直「シロの着替えを借りるだけだから、着いて来ればいいよ」
珠稀「ホッ…」
直「(シロが姉崎のとこに泊まると知っててホラーを選んだって知ったら、さすがに怒るよな。…黙っとこ)」
【首のリボンがよく似合うよ】
次の日の朝。
店長「おはよう」
珠稀「おはようございます…(目をこすりこすり)」
店長「フフッ、眠そうね」
珠稀「す、すみません!(あわあわ)」
店長「あら、犬江さんのネックレスはリボンなのね。よく似合ってるわ(微笑)」
珠稀「あ、ありがとうございます(赤面)」
珠稀「……(店長に背を向けて着替える)」
店長「犬江さん」
珠稀「はい?(ネックレスを外す)」
店長「絆創膏着けるから、こっちに来て?」
珠稀「??はい」
店長「(絆創膏を首の後ろに貼ってあげながら)似合うのは当たり前ね。よく犬江さんを見ている人からのプレゼントだもの(微笑)」
珠稀「…ハッ!!(絆創膏の場所を押さえて)ててて、てんちょう!!」
店長「ウフフッ」
若いわねぇ(店長談)




