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仔猫の恋  作者: くろくろ
黒猫と狐さんと小話いろいろ
48/61

黒猫の知らない彼のこと②(ボツネタ集)

本編に入れようとしてムリだったもの、まとめ。

【バレた】


※付き合ってからほんの少し経った頃


某ドラッグストアにて。

直「タマ、眠いなら先に送ってくぞ。明日も仕事、早いんだろ?」

珠稀「(うつらうつら…)うー…。でも、私も絆創膏買いたい。靴擦れヒドくて」

直「あぁ、仕事用のやつか。わかった、早めに買い物してくるから、タマもムリするなよ。ダルかったら、外のベンチに」

珠稀「だいじょうぶ!」


直「(不安だ)」


珠稀「(ふらふら)バンソーコー…んー?(目をこすりこすり)」


直「(明日は雨か?)どうした、決まったのか…没収!(珠稀から箱を奪う)」


珠稀「あー!(手を伸ばし)かわいいのに!!」

直「可愛いのがいいなら、これにしなさい!(キ○ィちゃんの絆創膏)誰だ、こんなとこに、こんなもの置いたのは!!」

珠稀「こどもあつかい!!こっちのきらきらした方が見たことないから、しんしょうひんっぽい!」

直「まだ必要ない!!(箱を遠ざける)」


店長「あら、犬江さん…?」


珠稀「ハッ!(カッと、目を見開く)」

直「あっ、こんばんは(覚醒した?)」


珠稀「あっ、あっ(目が覚めた)おおはようござぃしゅ」


店長「(噛んだ)」

直「(挨拶で噛んだ)」


店長「二人共、お知り合い…(直の手元を見ながら)声掛けたら、マズかったかしら?」

直「いえ、大丈夫です(珠稀の手に箱を返す)」

珠稀「(反射的に受け取り)…?な、なおさーん!何てもの渡すのっ!!(あわあわ)」


直「タマが持って来たんだけど」

珠稀「いらないよ!(あせあせ)」


店長「犬江さん」


珠稀「ひゃい!(どうしようどうしようこの場をどうすれば切り抜けられる)」


店長「こういうものは、相手の男の人まかせはいけないわ(真顔)」


珠稀「は、はい…」



こんなんじゃなくても、珠稀の不注意でバレそうだ。



【そう聞くと一瞬、引く】


課長「結城の付き合ってる子って、友だちの妹なのか?」

直「えぇ、そうですよ。出会ったときは、相手は中学生でした」


課長「犯罪じゃねぇかっ」


直「俺はだいがくせ…いえ、付き合ってませんでしたよ、そのときは!」


課長「年の差六才っていうのも、何なんだろうなぁ」


直「………」




【後悔】


※シリアスだよ!


課長「つまりもう、妹みたいなもんだろ。妹分っていうか」


直「はぁ」


課長「いやー?結城が勘違いしてんじゃないかと思ってなぁ。まあ、老婆心ってやつだ。俺、おじさんだけどな!」


直「……」


課長「おいおい、笑ってくれよ。寂しいじゃんか」


直「どこを勘違いしていると、おっしゃるのですか?」


課長「うん?何をしてもいい、所有物か何かと考えてるんじゃないかと思ってな」

直「それはでは、彼女を俺が軽んじてるとように聞こえてますが?」


課長「まあ…結城がそうとは限らないか。ただ、よく自分の胸に聴いて、相手を大事にしてやれってことだ」


直「……」


課長「まあ、年上からの忠告ってことだ。お前は、後悔するなよ」


直「課長、それは」

課長「かつて同じ立場だった男からの、な」




【しかし、この有様である】


直「(…と、いうことがあったのに)」


課長「なになに~どんなヤツなんだよ~勿体ぶらずにおじさんに教えてよ~」


珠稀「……っ!?(首横にブンブン振る)」


店長「恋バナで盛り上がって良いのは、若い娘だけよ。おじさんは引っ込んでなさい」

課長「ひどっ!?」


直「(当事者である年上の男…にしては、恨みを感じたけど)」




【最後は安定の】


直「準備してもらったんですから、行きますよ」

課長「えー、まだ聞いてないのにぃ」


珠稀「(ブルブル)」

店長「これ以上、うちの新人に変なことを聞くようですと、ブラックリストに載せますよ」


課長「ひどっ!?」


直「では、失礼します」

店長「ありがとうございました」


課長「ちぇ~。また来るね!」

珠稀「ありがと、ございましゅ!」


課長・直「(噛んだ)」


珠稀「あ、あの」


課長「ん?」


珠稀「(ひそひそ)」

課長「ふんふん…ふふっ、そうか。おじさん、変な気を回し過ぎたってことか!よかった、よかった!」


珠稀「(ほっ)」


直「どうしたんですか、二人でコソコソと」


課長「結城君、目がコワいっス。…いや、何。カレシのこと。本当に泣かされたんじゃなくて、慰めてもらってたんだって。だから、お説教は止めてほしいんだってさ。きちんとフォローして、カレシのこと大好きなんだなぁ、あの子」


直「………(店を振り返る)」


課長「そんな熱い目でショーケース見て。やっぱり、│新作ケーキ《新しい子》食べたいのか?」


直「えぇ。帰ったら食べます(キッパリ)」


珠稀「(ゾワッ!)」




【ごちそうさまでした】


直「お疲れさま(帰り道)」


珠稀「お疲れ様です…待った?」


直「いや、今来たとこ。(歩き出し)今日は仕事風景が見れてよかった(噛みまくってるとこも)」

珠稀「うっ…(照)」


直「そうそう(ガシッ!)」

珠稀「(肩を掴まれ)…?」


直「今日はこっちから帰ろうな?(自宅アパートへの道を指し)」

珠稀「えぇえーと、そっちだと私の家じゃなくて!(ガクガクガク)」

直「俺の家に“帰ろう”か?(目を細め)」

珠稀「(何か押した、わたしーっ!?)」


※とはいえ、まだ寸止めである。




【ある夫婦の会話】


※シリアスだよ!


「たっだいま~。お仕事、お疲れ!」

「お疲れ様」


「あなた、一緒に来ている部下の方に何か含みでもあるのかしら?」

「んー、何で?可愛がってるよ?腹黒いけど、仕事出来るし」


「それだけかしらね。…もしかして、“お兄ちゃん”のことと、重ねてるの?」

「……」


「あのねぇ。“お兄ちゃん”のことは過去のことよ。いいように使われていたことに気付かず、自分を大事にしなかった私が悪いの」


「│さちはわるく…!」


「ない、というならこれでこの話はおしまい。…だいたい、あの二人には関係ないでしょうに(呆)」


「いや、結城には確かに関係は…ん?二人?」


「さぁ、ご飯にしましょう。今日の夕飯は」

「二人って、カノジョちゃんもいれればそりゃ“二人”か!」


「(あらやだ、口を滑らせたわ。ウフフ、危なかった)」


店長の闇が深くなる(大げさ)。

完結です。お付き合いいただき、ありがとうございます!

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