黒猫の知らない彼のこと②(ボツネタ集)
本編に入れようとしてムリだったもの、まとめ。
【バレた】
※付き合ってからほんの少し経った頃
某ドラッグストアにて。
直「タマ、眠いなら先に送ってくぞ。明日も仕事、早いんだろ?」
珠稀「(うつらうつら…)うー…。でも、私も絆創膏買いたい。靴擦れヒドくて」
直「あぁ、仕事用のやつか。わかった、早めに買い物してくるから、タマもムリするなよ。ダルかったら、外のベンチに」
珠稀「だいじょうぶ!」
直「(不安だ)」
珠稀「(ふらふら)バンソーコー…んー?(目をこすりこすり)」
直「(明日は雨か?)どうした、決まったのか…没収!(珠稀から箱を奪う)」
珠稀「あー!(手を伸ばし)かわいいのに!!」
直「可愛いのがいいなら、これにしなさい!(キ○ィちゃんの絆創膏)誰だ、こんなとこに、こんなもの置いたのは!!」
珠稀「こどもあつかい!!こっちのきらきらした方が見たことないから、しんしょうひんっぽい!」
直「まだ必要ない!!(箱を遠ざける)」
店長「あら、犬江さん…?」
珠稀「ハッ!(カッと、目を見開く)」
直「あっ、こんばんは(覚醒した?)」
珠稀「あっ、あっ(目が覚めた)おおはようござぃしゅ」
店長「(噛んだ)」
直「(挨拶で噛んだ)」
店長「二人共、お知り合い…(直の手元を見ながら)声掛けたら、マズかったかしら?」
直「いえ、大丈夫です(珠稀の手に箱を返す)」
珠稀「(反射的に受け取り)…?な、なおさーん!何てもの渡すのっ!!(あわあわ)」
直「タマが持って来たんだけど」
珠稀「いらないよ!(あせあせ)」
店長「犬江さん」
珠稀「ひゃい!(どうしようどうしようこの場をどうすれば切り抜けられる)」
店長「こういうものは、相手の男の人まかせはいけないわ(真顔)」
珠稀「は、はい…」
こんなんじゃなくても、珠稀の不注意でバレそうだ。
【そう聞くと一瞬、引く】
課長「結城の付き合ってる子って、友だちの妹なのか?」
直「えぇ、そうですよ。出会ったときは、相手は中学生でした」
課長「犯罪じゃねぇかっ」
直「俺はだいがくせ…いえ、付き合ってませんでしたよ、そのときは!」
課長「年の差六才っていうのも、何なんだろうなぁ」
直「………」
【後悔】
※シリアスだよ!
課長「つまりもう、妹みたいなもんだろ。妹分っていうか」
直「はぁ」
課長「いやー?結城が勘違いしてんじゃないかと思ってなぁ。まあ、老婆心ってやつだ。俺、おじさんだけどな!」
直「……」
課長「おいおい、笑ってくれよ。寂しいじゃんか」
直「どこを勘違いしていると、おっしゃるのですか?」
課長「うん?何をしてもいい、所有物か何かと考えてるんじゃないかと思ってな」
直「それはでは、彼女を俺が軽んじてるとように聞こえてますが?」
課長「まあ…結城がそうとは限らないか。ただ、よく自分の胸に聴いて、相手を大事にしてやれってことだ」
直「……」
課長「まあ、年上からの忠告ってことだ。お前は、後悔するなよ」
直「課長、それは」
課長「かつて同じ立場だった男からの、な」
【しかし、この有様である】
直「(…と、いうことがあったのに)」
課長「なになに~どんなヤツなんだよ~勿体ぶらずにおじさんに教えてよ~」
珠稀「……っ!?(首横にブンブン振る)」
店長「恋バナで盛り上がって良いのは、若い娘だけよ。おじさんは引っ込んでなさい」
課長「ひどっ!?」
直「(当事者である年上の男…にしては、恨みを感じたけど)」
【最後は安定の】
直「準備してもらったんですから、行きますよ」
課長「えー、まだ聞いてないのにぃ」
珠稀「(ブルブル)」
店長「これ以上、うちの新人に変なことを聞くようですと、ブラックリストに載せますよ」
課長「ひどっ!?」
直「では、失礼します」
店長「ありがとうございました」
課長「ちぇ~。また来るね!」
珠稀「ありがと、ございましゅ!」
課長・直「(噛んだ)」
珠稀「あ、あの」
課長「ん?」
珠稀「(ひそひそ)」
課長「ふんふん…ふふっ、そうか。おじさん、変な気を回し過ぎたってことか!よかった、よかった!」
珠稀「(ほっ)」
直「どうしたんですか、二人でコソコソと」
課長「結城君、目がコワいっス。…いや、何。カレシのこと。本当に泣かされたんじゃなくて、慰めてもらってたんだって。だから、お説教は止めてほしいんだってさ。きちんとフォローして、カレシのこと大好きなんだなぁ、あの子」
直「………(店を振り返る)」
課長「そんな熱い目でショーケース見て。やっぱり、│新作ケーキ《新しい子》食べたいのか?」
直「えぇ。帰ったら食べます(キッパリ)」
珠稀「(ゾワッ!)」
【ごちそうさまでした】
直「お疲れさま(帰り道)」
珠稀「お疲れ様です…待った?」
直「いや、今来たとこ。(歩き出し)今日は仕事風景が見れてよかった(噛みまくってるとこも)」
珠稀「うっ…(照)」
直「そうそう(ガシッ!)」
珠稀「(肩を掴まれ)…?」
直「今日はこっちから帰ろうな?(自宅アパートへの道を指し)」
珠稀「えぇえーと、そっちだと私の家じゃなくて!(ガクガクガク)」
直「俺の家に“帰ろう”か?(目を細め)」
珠稀「(何か押した、わたしーっ!?)」
※とはいえ、まだ寸止めである。
【ある夫婦の会話】
※シリアスだよ!
「たっだいま~。お仕事、お疲れ!」
「お疲れ様」
「あなた、一緒に来ている部下の方に何か含みでもあるのかしら?」
「んー、何で?可愛がってるよ?腹黒いけど、仕事出来るし」
「それだけかしらね。…もしかして、“お兄ちゃん”のことと、重ねてるの?」
「……」
「あのねぇ。“お兄ちゃん”のことは過去のことよ。いいように使われていたことに気付かず、自分を大事にしなかった私が悪いの」
「│倖はわるく…!」
「ない、というならこれでこの話はおしまい。…だいたい、あの二人には関係ないでしょうに(呆)」
「いや、結城には確かに関係は…ん?二人?」
「さぁ、ご飯にしましょう。今日の夕飯は」
「二人って、カノジョちゃんもいれればそりゃ“二人”か!」
「(あらやだ、口を滑らせたわ。ウフフ、危なかった)」
店長の闇が深くなる(大げさ)。
完結です。お付き合いいただき、ありがとうございます!




