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戦国を歩く〜異〜  作者: 柚紀
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稲葉山~城下潜入作戦前~

葵との話から数日かけて織田の将に訓練を施した俺はその経過を葵に報告した。

「・・・・・そうか順調かぁ、それはよかった。これであとは各々で技を磨くだけと考えてもいいのだな?」

 葵のその言葉に俺は笑顔で頷いて答える

「あぁ、そうだな!やっぱもともと武の才能がある人たちだったから飲み込みがよくって助かったよ」

「そうであろう、ここからは自分たちの力で伸ばしてもらって・・・・・隼人、もう一つお願いがあるのだが」

 先ほどまでの和やかな雰囲気が一変して真剣なまなざしを向けられる。だから

「・・・・わかった。やるよ」

 と、即答で答えると葵はビックリしたように目を見開いて

「われはまだどういう内容か言っておらぬではないか、それでよく了承するな」

「・・・・いや、まぁ内容はわからないけどさ。それは今後の織田にとって・・・・いや、葵にとって必要になるお願いなんだろ?ならそれはなんでも了解だよ」

 俺の答えをきいた葵は少し噴き出してから顔をほころばした。

「ホントにお主というやつは・・・・・頼もしいやら面白いやら、飽きぬな。そこまでお主に言われたならわれも腹を括ってお願いするしかないではないか」

「なんでもお願いして!」

 俺はそんな葵の言葉に笑顔でそう答える。

「ゴホンッ・・・・ではお願いというのは、稲葉山城の城下の様子とその周辺の状態を見てきてほしいというお願いだ。今の我が軍の現状において稲葉山周辺に向かわせるのは化け物化を誘発する恐れがある・・・・だから化け物の対処に明るい隼人の隊にお願いしようと思うておるのだが、頼めるか?」

「おぅ、任せて!今回の訓練で俺の隊のメンツはほとんどが小物なら一人で対処できるくらいの力を体得したはずだからその実戦での総仕上げも込みで行かせてもらうよ」

 俺の返事をきいた葵はホッとした表情で吐き出すように

「そうか・・・・すまない、それからありがとう」

 と、言ってきた。俺はそんな葵の頭を優しく撫でると少し照れたようにはにかみながら、それでも手をはねのけることなくしばらく撫でられていた。それから葵とお茶を飲んでから葵の家を後にして自分の家に向かった。

「あ、隼人様おかえりなさいませー」

 門をくぐるとつつじの元気な声で迎えられる

「ただいま、つつじ。今日も元気だね」

「はい!それだけがわたしの取柄ですから!」

 元気なつつじの笑顔に癒されていると家の奥から

「隼人様おかえりなさいませ」

 と、さつきも何かをおぶりながら出てきた。

「ただいま・・・・・って茜か、背中におぶってるのは」

「はい、そうなんですよ・・・・さっきまで一緒に鍛錬をしててちょっと休憩していたらいつの間にか眠ってまして」

 声のトーンを抑えながらさつきはそう言った。俺は

「茜を布団に寝かせたらちょっと話があるからつつじと俺の部屋に来てほしいんだ」

「はい、わかりました。後で伺いますね」

 と、終始静かに会話をしてから俺は自室へ戻った。それからすぐにさつきとつつじが部屋を訪れたのですみれと篠を呼んで先ほどした葵のお願いについて説明をした。

「・・・・・なるほど、たしかに稲葉山の状況はすごく気になりますね!あと、どの程度戦えるようになったかの確認もできますし」

 と、最初に口を開いたのは先ほどおとなしかったさつきでであった。それに乗る形でつつじも賛成の意思を表した。篠は

「私は反対です。そのような危険なところにご主人様が自ら行くような真似・・・・危険です」

「篠・・・・篠の言いたいことはわかるけどさ、これは俺の使命にもつながる大事な仕事だし、なにより自分の目で今の敵の力をおしはかりたいって気持ちが強いだから行かせてもらえないかな・・・」

「し、しかし・・・・」

「それに、もしも危険な状況になったら助けてくれるでしょ?篠」

「も、もちろんです!当たり前じゃないですか!」

「なら大丈夫だ!そんな篠を心配させないし、みんなもケガさせない」

 そういいながら篠の頭を撫で無理やり懐柔する。

「あ、あぅ・・・・ずるいです。ご主人様」

 顔を真っ赤にしながら篠はうつむいてしまった。それを俺は了承ととらえまだ意見を言っていないすみれに意見を促した。

「ワシは行くべきだと思うぞ。もしかしたらこの事態を収める手がかりを見つけられるやも知れんしの・・・・・ちなみに龍興は連れていくのか?」

「いや・・・・これには連れて行かないよ。もしかしたら茜を狙って敵が集まるかも知れないから今回は留守番だな」

「そうか・・・・よく考えておるな。ならよし」

 そういってすみれは頷いた。全員の了承も得られたので作戦決行日を伝えてから茜を起こしてみんなで夜ご飯を食べに出かけるのであった


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