一夜城~異形~
雄叫びの方向に走っていると正面の森の奥から黒い大きな影が木木をなぎ倒しながら迫ってきた、俺は慌てて走るのをやめて刀を抜いた。
「ゴォーーーーー」
俺を視認した化け物は威嚇的な咆哮をした。あまりの轟音に膝がビリビリと震える
「・・・・っち、うるせぇ」
俺は震える足を軽く殴り化け物を睨む、すると化け物は俺に向かって突進を仕掛けてくる。俺はとっさに横跳びでかわして着地後に二転、三転と地面を転がって距離をとって先ほどまで立っていた場所を見るとそこは何かが爆発したみたいに草木が無くなっていた。
「・・・・・おいおい、どういうパワーしてんだよ」
化け物の所業をみて気が萎えるのを感じた、俺がその爆心地みたいになったのに唖然としていると
「(お前様よボーっとするでない、来るぞ)」
すみれの声でハッとして爆心地の奥をみるとまた化け物が迫ってきていた
「(あぁいう猪突猛進型の敵に対してまともに受けると死ぬぞ?)」
「あぁ、そうだな・・・・・どうするか・・・っと」
再び突進を回避する、その後またさっきまでいたところで爆発・・・・俺はまた距離をとる。対策を練りながら突進をジグザグに後退して何回も回避をしていくとあることに気がついた
「なぁすみれ」
「(なんじゃ?お前様よ何かいい策でも思いついたか?)」
「いや、まだ策といえる策はないんだかちょっと気付いたことがあるんだ、あいつ段々スピードと威力が落ちてないか?」
そういいながらまた突進を回避してその威力を確認する。
「(確かにそのようじゃな・・・・ふむ、これは使えそうじゃな、お前様よやつを山道に誘い込むぞ)」
「了解した、だがどうするんだ?」
「(まぁとりあえずワシの指示通り動け、ワシの考えが合っていたならばやつの足を止められる)」
そぅ自信有り気にいうすみれの指示に従って山道に入ると、急に化け物の足が急激に鈍った。
「(よし、お前様よ次はやつとの距離を縮めて突進を誘うのじゃ)」
すみれの指示通りにさりげなくを装って距離を縮めると化け物は突進をするべく体制を変える、そして走りだそうとする時にすみれが
「(お前様、今じゃ!回避してやつの後ろに回り込んで仕留めるんじゃ)」
すみれの合図で回避すると化け物はまるでスローモーションのようなスピードで振り返るがその体制が整う前に俺は仕留めるために刀を振るう。
「/薩摩流/十字斬」
横薙ぎからの唐竹割りで化け物を十字に切り刻む、すると化け物は軽く鳴いて黒い気を放ちながら蒸発していった
「・・・・ふぅ、やっと片付いたか、ありがとうな!すみれ」
「(まぁお前様に死なれると困るでな、この貸しは団子で許してやる)」
そういいながらすみれは刀から人の形に戻る。
「りょうかい」
俺は苦笑いしながら答えて、蒸発が終わった化け物がいたところをみたするとそこには見た目年下に見える少女が横たわっていた。
「おいおい、あんなでかい化け物からこんな年若な女の子がでてくるなんてな・・・・」
俺は少女を観察する。黒く長い髪に淡い青っぽい着物に胸当て、顔のパーツはとても整っていてまるでモデルみたいだ、肌も透き通るようですべすべしている、首筋からつづく鎖骨も綺麗で全体的に清楚というか気品があふれているような感じだ。しばらく観察に没頭していると、すみれが
「お前様よ、その娘御はどうする?一応敵方の将なのじゃろ、ここで殺しておくか?」
「いや、やめておこう・・・・とりあえずみんなのところに連れていくか」
そういうと俺はその少女を抱き上げて歩き出す、すみれはすぐ横を歩いて
「お前様は、ホント女子に甘いの」
「いや・・・・そんなことはないかと思うんだけど」
「いいや、甘い。まさか敵将にまで情けをかけるとは・・・・」
「いやいや、情けっていうかそもそもこの子には魔魂者についての情報も聞かないといけないしさ、こんなになったのも魔魂者のせいってのもあると思うし・・・・」
「それにしたって、なんというか扱い方が・・・・・何でもないわい」
そういうとすみれは黙ってしまった。また怒らせたかなっと思いながら俺たちはみんなの待つ一夜城予定地へ向かって歩く・・・・




