さつき
評定が終り一度長屋に変えるためつつじと歩いているとずっと刀として眠っていたすみれから声がかる。
「お前様よ、これからどうするつもりじゃ?」
「おっ・・・すみれ、おはよう」
「おはようございます。すみれ様」
いきなりの問いかけに驚きつつとりあえずあいさつをすると、すみれは刀から人型に変身した。
「おはようじゃ、お前様、あとつつじよ。それで?」
「ん?・・・あぁ、そうだな・・・とりあえずは・・・つつじ」
いきなりの指名につつじはビクッと反応する。
「は、はい!なんでしょうか、隼人様」
「つつじの友達に木曽川あたりに住んでる子いない?」
「・・・え?なんで隼人様が私にそんなこと聞くんですか?確かにいますけど」
つつじは戸惑い顔で聞いてくる。
「いやさ、その子を紹介してくれないかな?ちなみに名前は?」
「・・・・・・・・・はい?」
「あれ?聞き取れなかった?紹介して欲しいな」
「・・・え、あの、その・・・なんで、なんでですか?」
なんだか泣きそうな顔になったつつじに驚きながら説明をする。
「いやさ、今回の作戦には織田の軍は使えないって話をさっき評定でしたでしょ?それなら織田以外の人手が必要になるんだ、そこで目を付けたのは川並衆って集団なんだけど俺にはそんな知り合いはもちろんいないし、でもつつじならそんな友達もいるんじゃないかなって考えたんだ」
「・・・そうなんですか?・・・そういうことなら紹介しますね、名前は蜂須賀小六っていいます、子供のころからの友達です」
理由を話したからか、ほっとした感じでつつじの声色が明るい感じに変わっていく。俺は胸をなでおろしながらつつじにお願いする。
「・・・蜂須賀小六さんね、紹介してもらえる?」
「はい!わかりました」
そう元気につつじが返事をした、すると話がまとまるまで黙っていた感じのすみれが口をはさんでくる。
「・・・で?お前様よ結局これからどうするつもりなのじゃ?」
「・・・そうだな、とりあえずつつじにその蜂須賀小六さんを紹介してもらって、それから木曽川付近の野武士を雇って、必要経費の見積もりを立てて、それから準備して実行かな・・・ただな、ちょっと問題がある」
「問題とはなんじゃ?」
「いやさ・・・・俺はこの時代のお金・・・というか金銭価値的なものがいまいちわからないんだよ、米俵一俵分の相場も知らなければ人件費とかの相場、築城資材の相場とかまったくわからないんだ、困った」
俺が先の問題に頭を抱えていると、つつじが
「あの・・・隼人様!私そういう計算得意ですよ」
と、元気に答えてくれた。
「そうなの?それならまかせてみようかな」
「はい!お任せあれです、昔こういう勘定を勉強したことあるのでそういう計算は得意なんですよ!」
「助かる、よろしくね!あと、これからその蜂須賀さんの紹介頼めるかな?」
「まかせてください、ではついてきてください」
そういうとつつじは先頭を歩きだした。
・・・そして、木曽川近く集落
「到着しましたよ!全然変わってないです・・・」
「へぇここがつつじの住んでたとこか・・・いいところだね」
畑が多く、質素だが趣がある住まい、あったかい日差しに心地よい冷たさの風、のどかな風景に安らぎを覚える。
「はい!ありがとうございます・・・・っとここが友達の家ですよ」
「・・・・あれ?つつじ?」
と、まさに家の前に着いたその時、後ろから声がかかる。その声に振り向いたつつじはパァっと花が咲いたような笑顔になってその声の主に声をかける
「・・・あっ!さつきちゃん!」
そういうとつつじはそのさつきちゃんという子に詰め寄った。
「やっぱりつつじ!元気だった?どうしたの今日は」
「うん、元気だったよ!えっとね、今日はさつきちゃんに紹介したい人がいるから連れてきたんだ」
「え?私に?」
「うん、そう!この方です!」
そうつつじはいうと一歩下がって俺のやや後ろに下がる。
「・・・えっと、つつじ?この人は?」
さつきちゃんと呼ばれる子は明らかに意味不明って感じで困り顔で俺とつつじの顔を見比べている。
「さつきちゃん!この方はなんと私の配属されたところ隊長で、なんとあの織田信長さまの旦那様なんだよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えぇ?」
さつきちゃんは大きく間をとって驚いた。そして顔面を蒼白させて頭を下げた。
「し、し、失礼しました。貴方様はあの織田の棟梁様の旦那様であらせられますか・・・大変お見苦しいところをお見せしました。誠に申し訳ありません。・・・で、本日はどのようなご用件で」
「いいよいいよ、そんなに気を使わないで、こっちが恐縮しちゃうからさ」
「いいえ、そんなわけにはいきません、織田の旦那様にご無礼をおこなうなど恐れ多いことはできませぬ」
かたくなに頭を上げてくれないので困ってつつじの顔を見るとつつじはコクッと頷いて説得に参加してくれる。
「さつきちゃん・・・隼人様はね、身分とか気にしない方なんだよ。そういう隼人様の言葉を無視しちゃうのは失礼だと思うな・・・だから、ね?頭を上げて」
そうつつじが説得するとゆっくりではあるが頭を上げてくれる。こげ茶色っぽい髪にハツラツをした瞳、少しだけ高い華、全体的に忠犬のような雰囲気を醸し出している、身長はだいたいつつじと同じくらいかな?だがしかし、つつじよりも体の線がとても女性らしい曲線を描いている。少しムチッとしたお尻に、掌でつかんでもつかみきれないギリギリの大きさの胸部・・・ふむ、素晴らしい。
「・・・君が蜂須賀小六さんでいいのかな?俺は薩摩隼人でこっちはすみれ」
「は、はい!私は蜂須賀小六です。ここいらで野武士・・・川並衆っていうんですけどそいつらを率いている者です。この度はどういったご用件で?」
「ちょっとね、君に仕事を依頼しようと思ってね」
「・・・依頼ですか?それなら私の家の中で話しませんか?」
そういうと蜂須賀さんは家の中に招き入れてくれた。




