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戦国を歩く〜異〜  作者: 柚紀
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評定~墨俣会議~

朝食を済ませた俺たちが城の門をくぐってから後ろから馬の走る足音が聞こえてくるのに気が付いた。普通の馬よりも速いスピードで走っているように聞こえる・・・つまり早馬ってやつかな?たしか急ぎの要件の時に出す馬だったはずだからおそらくなにかあったのだろう・・・そう思った俺たちは急いで評定の間へ向かった。その途中・・・二人の女の子と会った。

「おぅ隼人!元気か?」

「隼人様おはようございます!」

 蓮華と柊だ・・・二人も早馬に気付いて評定の間に向かう途中だったみたいだ。

「蓮華、柊おはよう!あぁ、今日も元気だぞ」

「蓮華様、柊様おはようございます」

 俺の挨拶に続いてつつじも挨拶をする。俺と挨拶するときよりもかなり固い感じだ

「つつじ・・・緊張してる?」

 小声でつつじに話しかけると、つつじはカクカクと頷いた。

「・・・私、蓮華様って苦手なんですよ・・・」

 うっすら涙を浮かべながら小声で返してくる。すると

「おい、隼人・・・お前さっきからなにをこそこそと話してるんだよ!」

 少し怒ったような声できいてきた、それに反応してつつじもビクッと肩をこわばらせる。そして更にウルウルさせながら俺を見ている。

「蓮華ちゃん、そんなに大きな声出すと蓮華ちゃんの可愛さが半減しちゃうよー」

「か・・・・可愛くない!わたしは可愛くなんかないぞ」

 柊は蓮華の矛先を俺から自分にシフトするように会話を誘導した。そしてアイコンタクトを送ってくる・・・今のうちにつつじのフォローか。

「つつじ、蓮華と何かあったの?」

「いえ、とくには何かあった訳ではないんですけど、蓮華様って家中で怖いって噂なんですよ・・・私も直接話したことはないですけど、噂があまりに怖すぎてどうしても苦手意識があるんですよ」

「・・・そうなんだ。でも、蓮華って喋り方は少し雑だけどそんなに怖い奴じゃないぞ?それにな・・・そういう苦手意識って相手にも伝わるものだからさ、そういう噂はいったん忘れてみた方がいいよ」

「・・・わかりました。頑張ってみます」

 俺はつつじの返事を聞いてまた、柊にアイコンタクトを送る。すると柊は頷いてから俺たちに向かって

「では、そろそろ評定の間に行きましょうか。ね、蓮華ちゃん」

「おぅ、じゃあ行くか!」

 そうして俺たちは評定の間に向かうのだった。そして、評定の間につき襖を開けるとそこには椿さんと桜さんがいて挨拶をした。

「おぅ小僧どうした?」

「いえ、来る途中に城に早馬が入るのを見まして何かあったのかなと」

「そうか、それはご苦労・・・だが、その報告は今は殿が受けておられるから、われらもその内容は知らなんだ」

「そうなんですか・・・なんなんでしょうね」

 そういってしばらく椿さんたちと談笑をしていると、葵さんが入室してきたので全員配置についた。俺はもちろん葵さんの横に座る・・・全員が座ったことを確認した葵さんは全員に聞こえるように早馬の話をした。

「先ほど墨俣で築城の指揮をしていた佐久間から報告があった。築城は失敗したらしい・・・」

 その報告を聞いたみんなは少しテンションが下がった感じがした。俺は墨俣についての説明を葵さんに求めた。

「墨俣は美濃攻略に必須なのじゃこういう風に言われておる」

『交通の要である洲俣を制すものは美濃を制し、美濃を制するものは天下を制す』

『墨俣は死地なり、死地又生地なり』

「・・・とな。美濃を手に入れることがワレが天下をとるに必要なことなのだよ」

「そうなんだ、勉強した通りなんだな・・・」

「・・・ふむ、その勉強とやらで学んだことに何かいい案はあったか?」

 葵さんは好奇心を含んだ瞳で見つめてくる、どこまで言っていいのかわかんないから少し濁す感じで俺は、

「まぁ、そんな内容もやったような気がするな・・・それより、その築城についてなんだけど俺がやってみていい?」

「小僧・・・素人のお前がどうにかできるほど築城は甘くないぞ」

 いままで葵さんとのやりとりをだまって聞いていた椿さんが口を挟んでくる。

「椿さんのいいたいこともわかりますよ?でも俺にはちょっとした考えがあります、この行動については織田の軍は使いませんから、まぁやるだけやらせて下さい。仮に失敗しても織田軍の兵も減らないですし、やってみても損はないと思うんです」

「・・・・しかしだな」

「おけい。ここは隼人の提案を受けてやらせてみようと思う、やれるな?隼人」

 椿さんが更に反論しようとしたところを葵さんが止め俺の提案を推してくれた。

「了解!まかせて」

 俺がそう答えると葵さんは満足そうに頷いて評定をしめた。その後、俺はつつじとともに城をあとにした・・・。

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