檜木屋~朝ごはん~
つつじや篠と部下を得た俺はその後、葵さんが自分の部隊用の長屋を用意してくれて俺はそこにつつじらと引っ越しをした。敷地の中央に共有の井戸がある、初めて見た・・・・そしてそれから更に日数が過ぎ、いつものように朝食を長屋近くの大衆定食屋こと/檜木屋でいつものように焼き魚定食を頼む。ここの焼き魚は鮮度もよくとても美味しい・・・
「隼人様、隼人様!今日も焼き魚定食なんですね!あむっ・・・」
つつじがご機嫌な感じで話しかけておにぎりを頬張る、頬にご飯粒がついている。
「・・・ほら、つつじ・・・ご飯粒ついてるぞ」
いいながらつつじの頬のご飯粒をとり自分で食べる。
「・・・あわわ、隼人様ちょっと・・・その、ありがとうございます」
なぜかつつじが顔を真っ赤にしてお礼を言っている。
「いいよ・・・ってどうしたんだ?そんなに顔を赤くして」
「いえいえいえ・・・なんでもありません、なんでもありませんよ。気にしないでください・・・そ、それよりも!隼人様はホント焼き魚定食好きですね!」
わたわたしながらつつじは話を戻す。
「・・・まぁそういうことにしてみるかな、単にここの焼き魚定食が美味しいからだよ。ここの焼き魚ってホントに美味しんだよ、こんなに魚が美味しいって思ったのは初めてだったからな!つい頼んじゃうんだよ・・・それより、篠!」
部下になってから常に影に潜んでいる篠たち忍三人は呼ばない限り姿を現さない。常にそばにいる気配はあるんだけど・・・ということで篠を呼ぶ。
「・・・はっ、お側に」
呼んで十秒もしないうちに背後から返事が返ってくる。
「篠さ、一緒にご飯食べようよ」
「・・・は?いえ、私どもはご主人様の影です・・・ですのでご主人様と食事を一緒にいただくなど恐れ多いことはできません」
「そういうのはいいからさ、篠や庵や環は俺の部下であり仲間なんだから一緒にご飯とか食べたいんだよ・・・わかるかい?」
なるだけやさしい声色を意識して篠に語り掛ける、幸いピークからはずれた時間なのでお客はいない。
「・・・そういってもらえるのはとても嬉しいのですが、しかし私どもとご主人様とは身分も違いますし・・・」
そういった篠に今まで黙って食事していたつつじが話しかける。
「篠さん、そんなこと言ったら私だって元は人とも数えられない身分なんですよ・・・ここは隼人様のお言葉に甘えて一緒にご飯食べましょうよ」
ナイスフォローつつじ!っと心の中でガッツポーズをして篠に畳みかける。
「つつじもこう言ってるしさ!一緒に食べようぜ!」
「・・・し、しかし」
篠はすごく困った顔をしている。なんか子犬みたいだな・・・
「・・・なら、今回は命令ってことにしておくから一緒に食べよう」
「・・・はっ、命令とあらばご一緒させていただきます」
困り顔を更に濃くしてしまったが一緒にご飯を食べれるようになったぞ!頭の中で懐かしいレベルアップ音が脳内再生される。
「よし!じゃあ庵!環!でておいで」
そう呼ぶとこの二人も音もなく背後に現れる。
「じゃあ、みんなでご飯ね・・・すいませーん」
店員さんを挙手して呼ぶと、篠が
「ご、ご主人様・・・・・自分で呼べます」
「いいの、いいの!あと、今日の朝ごはんは俺のおごりね」
「・・・えっ!あの、あの!そ、そ、そそこまでしていただくわけにはいきません。なんの働きをしたわけでもないのに、ご主人様にごちそうになるなど」
いつもは冷静でなかなか取り乱さない篠が珍しく慌てている・・・思わず調子にのって苛めてしまう。
「・・・いいよ、いいよ!それよりも俺の好意を受け取ってもらえないのかな?」
「こここ好意!?な・・・な、なな何を」
テンパりすぎてわたわたしてしまっている。可愛すぎるがこれでは全然ご飯が食べられないので強制的に話を進めることにした。
「はははっ!冗談冗談!好意はあるけど今回のは俺の部下になってくれたお礼って意味と、これから一緒に頑張っていこうって意味を込めたおごりだからたとえ命令という形式を利用しても食べてもらうからね!もちろんつつじもおごりね」
「は、はい!ではご主人様のご厚意に甘えましてごちそうになります」
「ありがとうございます!隼人様」
篠、つつじが続けてお礼を言ってきた。その後ろで庵と環は深々と頭を下げている。それからそそくさと注文を済ませて改めて五人で朝ごはんを再開した、それから気配を消している三人とつつじと一緒に城に向かうのであった・・・




