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戦国を歩く〜異〜  作者: 柚紀
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はじまり

「わい、ちっと蔵ん掃除ばせんか」

「嫌だよ、今は試験勉強で忙しいから親父がやればいいだろ」

「んな、試験勉強っちな、わいはおいが道場ば継ぐんとちげとな」

「継がないよ、いくら剣術を修めても社会じゃなんにも役にたたないからね、それよりもしっかり勉強して俺は大学に入りたいんだ。そのためにも試験勉強もしっかりしないといけないんだ、だから蔵の掃除はやらないよ・・・」

 と、いい終わると同時に視界に入ったのは親父のゲンコツのモーションだった。がしかし気付いたとて薩摩流剣術また薩摩流体術の師範たる親父のゲンコツは避けられるはずもなく頭に叩きつけられるのであった。

「いってぇな、何すんだよ」

「ガタガタいうとんじゃなか!さっさと蔵ん掃除ばせい。隼人」

「はいはい、わかりましたよ」

 今しがたの一撃で完全に勉強する気力をそがれてしまった俺はしぶしぶといった感じで蔵に向かうのだった。


 自己紹介が遅れたが、俺の名前は/薩摩隼人さつまはやと。九州の最南端の鹿児島県在住の高校一年生だ。家は薩摩流っていう剣術・体術の道場をしている。

現在の門下生はだいたい二十人くらい、昔は全国各地から門下生が集まるほどのすごい道場だったとか。かくいう俺もここの門下生である、親父にはまだまだ到底かなわないが物心ついたころからずっと鍛錬に明け暮れる毎日だった。

 まぁ当然のことながら彼女はいない、というか彼女いない歴=年齢なのである。

そんな俺の目標は東京の大学に進学してウハウハなキャンパスライフを送ることなのである、なら大学からじゃなくて高校から女子率の多い学校に進学すればいいのではないかという人もいるだろうがしかし、俺の学力はスポーツ推薦でしか進学できないくらい残念なのである。しかもこの地域でスポーツ推薦で合格したのは男子校だけだった、だから俺はなんとしても学力をあげて大学に進学したいのである。

 

 長々と自己紹介をしているうちに蔵に到着した。

蔵の中はほこりがすごくまずは換気から行う、その後ほこりを落としたり、拭いたりといろいろやらなくてはいけないのだ・・・

 だいたいの掃除が終わり蔵を閉めようとした時である、いきなり蔵の奥から何かが床に落ちた鈍い音がした。ここの蔵の中には貴重な品がたくさんあるとかで傷物にしようものなら親父のゲンコツがふってくる。

(マジか、しっかり片づけしたつもりだったんだけど、もし壊してたら怒られるな)

 ビクビクしながら蔵の奥に進むとそこには一振りの刀が落ちていた、みたところ特に壊れてはいなさそうだったが一応刃の具合を確認するため刀をつかんだその時である。

急に意識が闇の中に落ちていった。



 

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